あのひとの体温を感じて。
  あのひとの息づかいを聴いて。
  あのひとと、ひとつになった、そのあと。

  熱くて高い波が過ぎた後の、とても穏やかで、なまあたたかな時間。胸と胸を離す前に何かしるしがほしくなる。
 わたしたちが、今ここで交接したことの。
 言葉じゃなくて、もっと確かな何かを。

「帰らなくていいよ」ってぎゅうってされるのとか。
 頬を節の高い手で包まれて、にっこり笑ってくれたりだとか。
「ほんとうに、かわいいひと」って、額にキスしたりするのとか。
 子供みたいに頭を撫で回されたりとか。
 深くて、長いくちづけを求め合ったり、そういうの。

 キス・マークも個人的にすき。
 
 若い頃は、ただがむしゃらに求め合って、くびすじへキス・マークをもらうのが嬉しく思ったし、私はあのひとのものって思えた。
 そんな、甘さと凶暴さの混じったしるしも素敵。

 だけど、わたしたちにしか解からない場所へのそれは、もっと素敵。
 お風呂に入るたびに、服を着替えるたびに、あのひとや、あのひとのくちびるの感触や、あのひととのベッドを思いだせてくれるから。
 沢山の甘さと、少しの苦さと痛みを含んだキス・マーク。

 誰と、どこで、何をしていても私はあなたのもの。
 誰と、どこで、何をしていてもあなたは私のもの。
 先週末、ダンナ様とデートに出かけました。
 去年、私にとって大きな難関を、奇跡的に一発で超えたご褒美のため。
 珍しくミニスカワンピを着て。

 一軒目は、私がとっても贔屓にしているカフェ・バーへ。
 食事は、バーニャカウダーとチーズ、それとニョッキに牛頬肉のワイン煮。
 久しぶりにロマンティックに赤ワインを二本。

 二軒目は、お寿司屋さんへ。
 貝柱とサーモンとシメサバを一貫ずつ握ってもらった。
 お供は残ってたキープの芋焼酎。

 きれいにシメて帰ろうか?…と、タクシー乗り場へ歩いていたその時。
 道路の向こう側に、知った顔の紳士が!

「久しぶりー!今からおいでよ」
「行くーーーーー!」

 やめときゃいいのに三軒目。半年振りに顔を見たマスターのお店へ。
 私より、やっつほど上の殿方。真面目な話も、ばかな話にもつきあってくれる男くさいひと。きっと、修羅場も沢山くぐって、いい思いも沢山したんだろうなあ、ってひと。
 きのこのおでんが好きなんだけど、残念ながら売り切れ。
 途中から、他のお客さん(三人連れの同年代の女性、歯科衛生士の男性)とも話が弾み、ワイワイ飲みだす。

「俺、こんな楽しいの久しぶりー!ここからは俺のオゴリ!」
 マスターの太っ腹発言に、皆、さらに飲む飲む!
 ひとしきりして、マスターが厨房の火を落として、がらがら。シャッターを閉め出した。
「歌い行こーーーーや!」

 てなわけで、どこのお店か覚えてない状態で四件目。
 ビルの何階かのスナックに。
 そこのお客さんとも、ワイワイ飲みだして大変な事に!
 もう、楽しくて、踊りまくりで、飲みまくりで!
 隣の席の知らない紳士の膝の上で踊ってたらしい←覚えてない。
 だからワイン一本奢ってくれたのか(笑)

 そんな喧騒の中、急に私の頬に手が当てられてキス!

 リードされちゃった!

 近くにダンナ様もいるのに!

 しかもディープキス!

 柔らかなくちびると、優しい舌づかいに、今思い出しても、心がぎゅうってなるぐらいの。気持ちよくて離れられないキス。

 相手は、おでん屋さんから一緒だった、私より少し年上風の素敵なおねぃさま(笑)女性とディープキスって初体験!

 だけど、素敵だったから、ま、いっか♪(笑)