プロローグはアプリで無料で見れますが・・・。
完レポですので、ネタバレ注意!
「あ。明日・・・誕生日だ」
朝。
仕事に向かう前に日付を確認して、ふと気づく。
(まあ、特に予定もないし・・・いつもと変わらないんだろうけど)
誕生日も34回目になると、特別な感慨もない。
この10年、恋人どころか恋をしていないとなれば、なおさらだ。
「ん?ハガキが来てる・・・彩香からだ」
「へえ~、結婚したんだ。優しそうな旦那様・・・」
彩香は製菓学校時代の後輩で、ここ最近後輩からの結婚報告が続いていた。
(後輩っていっても、30過ぎてるんだし・・・そりゃ結婚するよね)
宅配便の男性「おはようございまーす、佐山急便です」
「あ、ハイハイ、どーも」
宅配便の男性「ここ、サインお願いします」
「はい」
宅配便のお兄さんが差し出した大きめの封筒。
そこには、ピンク色の文字で『ゼクシル』と書いてあった。
(差出人はお母さんか・・・)
(ゼクシルって何だろう?)
サインして顔を上げると、宅配の男性と目が合う。
宅配便の男性「・・・!」
「?」
(どうしたんだろう?急に驚いた顔をして・・・)
宅配便の男性「・・・久しぶりっすね」
「え?」
制服のネームプレートには『菊池』と書かれている。
(菊池さんなんて知り合い、いたっけ?)
「えっと、どこかで・・・?」
首を傾げると、その顔からみるみる笑顔が消えていった。
菊池「・・・サイン、ありがとうございました」
「あ、はい、ご苦労様でした・・・」
(人違い?この子、弟と同じくらいかな。こんな若い男の子の知り合い・・・いないよね?)
不思議に思いながら封筒を破って中を見る。
「これ・・・お見合いパーティのチケット!?」
(お母さん、なんてモノを・・・!)
宅配便の男性「・・・ソレ、行くんすか?」
「え?」
見ると、帰ったと思っていた宅配便のお兄さんがこちらを振り返っていた。
(恥ずかしい・・・つい声が出ちゃって、聞かれてた・・・)
「ど、どうですかね?アハハ」
(っていうか、どうして宅配便のお兄さんがそんなこと聞いてくるの・・・?)
適当に笑って誤魔化すと、私は急いでマンションから出て行った。