森田村です。
数回に分けて投稿します。




森田side

高校に入学してから1ヶ月____

桜もほぼ散り果てて、だんだんと暑くなってきた。


入学前は友達ができるか不安だったのに、

今では友達に恵まれて、毎日楽しく生活している。


「 お母さーん、行ってきます! 」


「 何時に帰るの〜? 」


「 あー、わかんない!また連絡する! 」


「 早く帰ってきなさいよ〜 」


「 わかってる!行ってきます! 」


最近はみんなと放課後に遊ぶことが増えて、

家に帰る時間も自然と遅くなっていっていた。


松田 「 ひかる〜、おはよ 」


「 あ、おはよう〜

なぁなぁ化学の宿題やった?難しくて諦めたんだけど… 」


松田 「 しょーがないなぁ、見せてあげる!(笑) 」


「 ごめーん、ありがとう! 」


松田はクラスのムードメーカーみたいな子。

いつメンで放課後は2人で遊びに行くほどの仲でコミュ力も高くてとっても頼りになる。


そんなこんなで授業が始まってしまった。

まぁ、起きてるのは不可能だから寝ちゃうけど…





井上 「 今日カラオケ行かん〜? 」


松田 「 あり〜!夏鈴とひかるもカラオケ行くよね〜? 」


藤吉 「 歌わないけど、いく〜 」


「 私も行く! 」


6限までの授業が終わり、帰る支度をしていると、

井上に声をかけられてカラオケに行くことにした。


・・・・・あ、やばい。

数学明日小テストなのに教科書机の中だ。


藤吉 「 ちょっと、先生の所寄らないといけないの思い出したからあれだったら先行っといて 」


「 ごめん、私も忘れ物したから先行ってて 」


校門を出る直前で、夏鈴ちゃんも用があったことを思い出したらしく2人で戻った。

校舎に入ってすぐ、

私は教室のある右へ。夏鈴は職員室のある左へ。



教科書を手に取って、また校舎を小走りしながら靴に履き替えて外に出た。



「 あははっ、それな 」


「 今日どっか行く? 」


「 私この後、塾やねんな〜 」


「 あれ、バレーの練習は?(笑) 」


前にはちらほら恐らく3年生であろうという人も歩いている。

2年生は少し知ってても3年生は普段校舎が違うから会うことはほぼない。


・・・ドンッ!


「 うわっ・・・すいません、ごめんなさい! 」


少し前に携帯を開いたら、2人が校門で待ってると連絡をくれてた。

だから急ごうと前を歩く先輩を横から抜かそうとしていた。

それが間違えだったのか…?


笑ながら横にふらついた人とぶつかって、その衝撃で思いっきり転んでしまった。


「 え、ごめんごめん。大丈夫? 」


「 すいません、大丈夫です…! 」


すぐに寄ってきてくださって、顔を上げると

どタイプな顔をした先輩がいらっしゃった。

ブレザーには3Bの文字。やっぱ3年生だ。



「 わぁ、ごめんなぁ。

ふくらはぎとか思いっきり擦りむいてるなぁ。

・・・理佐ちゃ〜ん、絆創膏とか持ってへん? 」


「 あ、持ってるよ〜。

ちょっと待ってね・・・あれ、ないや(笑) 」


「 ねぇ、理佐ちゃん…(笑)

誰か絆創膏持ってへん? 」


「 由依ちゃんは優秀だから持ってるんだなぁ〜 」


擦りむいて血が出てる膝とふくらはぎに、絆創膏を貼ってくれた先輩。


「 あの、お名前・・・

お名前聞いてもいいですか? 」


「 あ、私〜?

3Bの田村保乃です。

ほんまに急にぶつかって、ごめんなぁ… 」


「 いや、全然大丈夫です…!

私こそごめんなさい…!

・・・あ、時間!失礼します! 」


転んでから既に15分以上経っていた。

急いで走りつつまた転ばないようにして校門まで辿り着いた。


結局夏鈴ちゃんはこの後長くなりそうだからと3人でカラオケに行くことになったらしい。





「 お母さ〜ん、ただいま〜 」


「 はーい、お風呂入っちゃって〜 」


「 はーい 」


絆創膏を剥がそうと思った時、また思い出した。

凄くふわふわな雰囲気でめちゃくちゃ可愛かった。

思い出すだけで顔がニヤけてしまう。


『 あ、もしもし?松田? 』


『 この声はお風呂から上がったんだなぁ〜? 』


『 せいかーい。

3Bの田村さんって人、知ってる? 』


『 え、超有名じゃん!お嬢様で有名の! 」


『 え、あ、え、そうなん!? 』


『 なになに、田村さんとなんかあったの? 』


『 今日ぶつかっちゃって、手当してくれたんだけど可愛くて・・・』


『 え、一目惚れ的な? 』


『 うん、どタイプなお顔で・・・ 』


寝落ちしていて、携帯には松田から " おやすみ "のメッセージが入っていた。


田村さんのことを考えながら今日は学校に行った。





「 あれ、もしかして昨日の子だよね・・・? 」


「 田村さん・・・? 」


「 保乃の名前、覚えてくれてたん?(笑)

田村さんなんて堅苦しいから保乃でええよ〜 」


「 なんでここの校舎に・・・? 」


「 午後の演習講座が、こっちの校舎の教室やってん(笑) 」


「 あ、そうなんですね・・・ 」


「 あ、せや!

今度昨日のお詫びに遊ぼうや!

嫌やったら全然断ってもらってええねんけど 」


「 是非・・・! 」


隣にいる松田はもうニヤニヤしていた。

けど、私の携帯には保乃さんのLINE。


それだけで内心のニヤニヤは止まらなかった。







あれから2週間ちょっと。

初めて保乃さんと遊ぶことになった。

朝から髪の毛もしっかりセットして、メイクもして、準備は万端だった。




「 わぁ、ひぃちゃん可愛い〜! 」


「 保乃さん凄い可愛いです…!(笑) 」



もうニヤニヤが止まらなくて、しょうがなかった。

この日は結局1日中ニヤけてしまって、どうしようもなかった。


同性に恋するのは初めてだった。

けど、嫌な感覚ひとつなくて・・・



「 保乃さんは大学とか決めたんですか? 」


「 うん、もう決めてるで〜

・・・私、親の仕事の都合で来年の2月にアメリカに行くねん。

だから、大学も海外の大学に進むことにしてん。 」


これを聞いた時、心臓が止まりそうだった。

最後まで保乃さんを見ることはできないんだ。





あれから、保乃さんとの距離は一気に縮まった。

テスト前には一緒に勉強したり、お泊まり会をしたりとどんどん時間を一緒に過ごしていた。

けれど好きという気持ちは一向に伝えることができないまま、

時間だけがどんどんすぎていた______




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はじめまして、ゆと申します。

なぜかハッシュタグが付けられないので静かにやろうかなと思います。(笑)

語彙力も文章構成力も皆無ですが、何卒よろしくお願いします。

お気軽に読んでいただけたら幸いです。