続きです→
「ここでちょっとまってて」
といわれ、暗いホールのど真ん中の席に座りながら彼を待つ。
すると舞台の上にパッとスポットライトが。
そこにはギターをもって丸椅子に腰掛ける彼。
「うみかのために歌うから、きいててな」
と。あの曲(海風)を熱唱。
歌い終わるとギターを置いて立ち上がり。
スタンドマイクの前にたって手紙を広げた。
「うみかとこの島で生活を始めて、一年がたったね。今まで本当に色々とごめん。でもこれからは、一緒に素敵な家庭を築いていけたらと思う。俺にはうみかしかいない。出会った頃から今日までも、そしてこれからも永遠に。うみかを愛してる。
だから、俺と。結婚して欲しい」
そう言って手紙を封筒に入れると、
私の元にゆっくり歩いてくる。
そして跪いて指輪の箱をパカっとあけ
「結婚して下さい」
大号泣
そして
「うん。結婚しよう」
私の左手薬指に指輪をはめてくれ
私たちが抱き合うと、電気がついて
周りから大きな拍手が。
協力者の彼の友だちが沢山いました。
もう幸せで幸せで。。。
そして両親にプロポーズされたことを話すと
丁度島に遊びに行きたいと思っていたとのこと。すぐに両親が島に来て、両家顔合わせも済ませました。両親に島のいいところを沢山紹介し、住んでいる家も見せて。両親も安心してくれました。
そしてプロポーズから1ヶ月くらいだったかな、、、
彼がなんと。
職場から救急車で運ばれたと私の職場に連絡が。。。。
頭真っ白。
島の病院では脳に異常は無いと言われたのですが、あまりにも言葉が出ないので本土の病院を受診すると脳梗塞でした。そしてそれによる失語症。
即入院です。幸いなことに軽度だったので、数ヶ月のリハビリで元の生活に戻れるし、言葉も戻るだろうと。
もしかしたら元に戻らないかも、最悪言語障害や後遺症がのこっても、私がちゃんと支える。妻になるのだから!!と気持ちを強く持っていたので、元の生活に戻れると聞いた時はほっとして涙が溢れました。
私は数日仕事を休み、彼の親戚のお家にお世話になりました。しかしさすがに仕事があったので、一度島に戻ることに。
そこから私の怒涛の日々が。。。
その頃私はバイトから、県の嘱託職員となりまして、公立保育園で担任を持ち始めた頃でした。
平日はフルタイムで仕事をし、休みの日はお見舞いに。
「お見舞いにいってあげて!!!寂しくて心細いと思うのよ。」
と毎週お見舞いにいけと向こうのお母さんから言われる。
ですが、島での賃金は物凄く低く、本土に毎週行っていたら家賃と光熱費払って残りの給料全て使っても赤字です。
「ジェット船や飛行機は高いから、フェリーでいけばいいのよ!せっかく行くなら土日いってあげないとね。だから土曜日の朝に大型船にのって、親戚の家に泊まって日曜日の夜に大型船にのれば、朝島につくから、そのまま出勤すればいいのよ」
なにいってんだこのBBAとおもいましたね。てか自分の息子だろ???お見舞いに私にいけというなら、金くらい少し出せそして私を金銭的にも精神的にも肉体的にも殺す気か!!
でも私はボン太を預け毎週のようにお見舞いにいった。(結婚資金のために貯めていたお金は結構あったので)勿論会いにいけば私もその時は嬉しくて。早く元気になれー!!っておまじないを毎回かけて。彼との時間を大切にしました。
彼が退院する日(1ヶ月ちょっとで退院できました)私が本土に行き、説明を受ける。
医者からは、2週間に一回、島の病院で言語のリハビリを受けること。仕事はすぐにでも出来るし、元の生活にもどっていいこと。ただ、かなり血液がドロドロだったらしく、生活習慣の見直しと、タバコはやめる事を厳しく言われました。
(深夜に1人でカップ麺とかポテチ一袋とか食べてたからね)
タバコは当時私も吸っていたのですが、一緒にやめようと説得して。見事にやめました。(私はww)
やっと元の生活に戻れる!!
と思いましたが、退院してすぐに今度は彼が十二指腸潰瘍で救急車で運ばれる。
きっと彼は脳梗塞を経験して、再発への不安やストレスから十二指腸潰瘍になったのだろう。と私は思い、とりあえず安心させてあげなくては!!!!と思いました。
休みの日は片道1時間半かけて島の病院へお見舞いに。
そしてついに私のメンタルが限界に、、、。
離人症と解離、不安感から不眠症。幻覚や妄想まで出てきました。ついに彼のお見舞いの時に精神科を受診しデパスに頼る日々。
(過去のブログで不安障害が1番激しくなって死を覚悟したと書いたのとは全く別です!!今思い返せばこの時はまだ軽傷でした。。。)
デパスを飲むと数時間は落ち着くのですが、薬が切れたかも!!と思うと更なる不安が襲い。当時の私はデパスは極力飲みたく無かった。依存すると思っていたので。依存が怖くて薬に対しての恐怖心が強くなり、デパスを飲むと安定するがそれと共に飲んでしまった自分を責めて更に不安定に。
私は仕事にフラフラになりながらいき、家では恐怖心とひたすらたたかっていた。そしてやっと彼が退院して来た。
本当に嬉しかった。また彼と、愛してる愛してる言い合って、お互い生きてることを喜び合って、この素敵な島で、結婚するのだと。そう思っていました。
次回予告
『本気で私が婚約破棄した過去(完)』