生出 寿/著
特攻長官 大西瀧治郎
内容
敗戦の翌十六日未明、大西海軍中将は割腹、自決した。
今日なお神風特攻の責めを一身に負う、蛮勇の猛将その人である。
だが特攻発動の因は、個々の将の思惑の埓外にあった。
展望のない戦争、不毛の戦術、失ってはならない分析力と決断力。
それらいっさいの欠落を、若い血で購おうとしたのが、
神風特攻ではなかったか。
「悠久の大義」に散華した三千六百の若い魂に捧げられる鎮魂の力作。
-「BOOK」データベースより
目次 : 体当たりをやるほかない/ 「死の踏絵」を踏まされた甲飛十期生/ 指揮官関行男大尉は予定の人身御供/ 大西長官の特攻訓示/ 玉井副長、中島飛行長と、特攻隊員たち/ 一波は動かす四海の波/ 国を以て斃るるの精神/ 戦闘機無用・戦艦無用/ 大佐、少将も戦死せよ/ 蛮勇/ 宿命の一航艦司令長官就任/ 「特攻教」教祖/ 負けて目ざめることが最上の道/ 戦争継続一本槍の軍令部次長/ 二千万人特攻か降伏か
著者自身も海軍少尉としての経歴を持つ。
「特攻」「戦争」に関する本は、【良い・悪い】やイデオロギーなどの影響を受けたと思える書が多い中、本書は、中々、中立的な所から書かれているように感じられた。
大西海軍中将関連の著は、「特攻の真意」(拙ブログは、→こちら)に続いてである。
★★★★☆(星4.5)