大久保潤/篠原章 著
沖縄の不都合な真実
著者二人は内地人であり、内地人からみた沖縄(基地)問題の書として興味深く読み進んだ。
著者の大久保潤氏は、日本経済新聞の記者、元那覇支局長、
篠原章氏は、財政学の元教授で、沖縄、経済、音楽分野の評論家
著者らは、
「基地反対運動は、『沖縄の心』や『平和への願い』を強調しながら『基地反対・移設反対』を唱えますが、私たちは、辺野古移設は税金の壮大な無駄遣いになる可能性があるがゆえに支持できないのです。」と書き、移設反対の立場。そして、沖縄の復興予算
「これによって、沖縄社会は再起が難しい末期症状に入ったと思います。半世紀も薬漬けにされた人が投薬なしに自立することは絶望的に困難です。なぜ、こんなにわかりやすい依存症の弊害に誰も本気で声を上げないのでしょう。」と書く。
ここら辺は、問題提起としてなら、わからないこともないが、
「『基地には反対だが、基地の見返りである振興予算に依存する公主導・官主導の経済はこのまま続けたい』と言う集団であり、これらを沖縄の『支配階級』『エスタブリッシュメント』『旧体制』などと呼ぶ。」
*支配階級とは、政治家、公務員、沖教組、労同組合、企業経営者など振興予算で潤う利得者
と何となく、社会主義者のような書きぶりには眉をひそめた。(核心を突いているかも知れないが…)
しかし、内地人でなければ、中々言えない事(復興予算と利得者の事)を書いてあり、基地賛成・反対運動をしている両方から感想、意見を聞いてみたいと思った。
★★★★☆(やや良い)