昨日の朝

 

「お母さん、何か大きな事故があった?ニュースでやってた?」

と息子に聞かれた。

 

「知らない。テレビ見ていないけど、なんで?」

「誰か死んだってやってたかなって・・」

「知らない。この辺で?」

 

 

息子はスマホでニュースをチェックしている。

 

 

「お母さん、これなんて読む?」

 

「○○・・・かな・・」

 

 

「あ、先輩だ・・・知ってる先輩・・」

 

 

 

日曜日にテレビでホットロードがやっていた。

私は見ていなかったけど

バイトから帰った息子がそれに変えた。

ちょうど終わりごろに近いくらいの時間だった。

 

 

「お母さん、今ここのシーン見とって、もうすぐ名言が出るよ。Twitterとかでスゴイんだ」

「へぇ・・・」

 

 

そんな会話をしながらしばらく観た。

ハルヤマがバイク事故で意識不明になるシーンになった。

 

 

「俺のトモダチは誰も死んでいないよ」

「それでいいんだよ。それが当たり前。若い命が死ぬなんてことがあっちゃいけないの」

 

 

息子はバイクを2台持つバイク乗り。

バイトも学校も休まずに

全部自分のお金でバイクを2台持つまでになった。

 

心配は常に付きまとうけど

リスクがあるからしばりつけておくなんてことはできない。

 

 

私にできることは

好きなことをするということと命を粗末にすることは違うよと教えるだけ。

 

 

そんな話をしたすぐ後だった。

彼の先輩がバイクの事故で亡くなった。

「急にこんなことが起こるんだね・・・・急だな・・・・」

 

「昨日まで元気に笑ってた人が、急にいなくなるのが事故なの・・・だから常に気を付けないといけないの」

 

 

それ以外の会話はできなかった。

朝から気持ちが沈みとても重たい。

親御さんの気持ちを考えたくなかった。何度も打ち消した。

 

 

大人にならないとわからないことは多い。

それでも大人になる前に命が終わってしまうなんてことはあってはいけない。