ときどき車で二人旅をする。

自由な時間が楽しめるのがいい。

 

今年5月下旬~6月初めに、山口県~九州3県(福岡県、佐賀県、熊本県)を旅した。これまでで最長となる8日間の車旅となった。

先に、旅の一部を切り取って、車中泊の話(6月8日)と光景写真(6月11日)を紹介しましたが、改めて旅の足跡の日記にしてみました。

 

混雑が予想される5月の連休が過ぎ、寒くもなく、暑くもない、温暖な気候の季節は、車旅にとって最高だった。

 

初日(5月26日):神戸から山陽道で、山口県・岩国市錦帯橋へ。朝8時半に出発して山陽道を一直線。安全運転を期して2時間を目途に休憩する。途中のサービスエリアで妻と運転交代し、1時過ぎに到着した。

錦帯橋の前の河原に広い駐車場があり、錦帯橋からロープウェイで岩国城へと直結している。石積みの基礎の上に築かれた木製の錦帯橋の芸術的な美しさを写真に撮った後、太鼓橋の形状の感触を味わいながら渡り、岩国城へ上って行った。

 

 

 

錦帯橋~岩国城で3時間ほど過ごし、車中泊を予定している願成寺温泉に5時ごろ到着。夕食をとり、温泉でくつろいだ。

車中泊の準備が整ったころから天気が急に崩れてきて、大雨と強風が吹き荒れる状況となり、3時間余りドンドンドンと車が揺れるほど打ち付けられる中で眠れる状況ではなかったが、深夜を過ぎ落ち着いたころ、眠りについていた。

 

二日目:小雨降る中、山口県秋芳洞・秋吉台に向かい、10時ごろに着いた頃ちょうど雨が止み、洞窟とカルスト台地を歩いた。

 

 

 

石灰岩が長い年月をかけて自然の中で溶けて産み出された洞窟とカルスト台地の姿をゆっくり見て歩いた。

秋吉台を後にして、萩市へ向かった。

萩市の明倫館を訪れ、幕末~明治維新に活躍した長州・松下村塾で育った志士の活躍や時代背景を学んだ。ある収集家がこの時代の貴重な極めて多数の品々を収集し、その一部とはいえ、多数の遺品を寄贈したという。これほどの陳列品を収集したその熱意と資力にも驚かされ、その恩恵を旅の土産として受けられたことを喜んだ。

 

3日目:山口県の日本海に面した、青海島、元の隅神社、角島を順次巡った。朝しばらく雨が降ったが、すぐに上がった。角島大橋の美しさを眺めながら渡り、途中、レストランで海を眺めながら食事をとり、灯台へ向かった。

 

山口県を後にして、福岡県・大宰府天満宮に4時過ぎに到着。遅い到着だったためか、駐車場はがら空きだった。

初めての太宰府天満宮。広い境内の美しさに目を奪われながら、急ぎ足で参拝した。

 

 

福岡市博多に移動し宿泊 。

 

4日目:博多から佐賀県へ移動。

博多は、経済の街で人通りも車も多く、混雑の中を抜け出た。

佐賀城本丸歴史館で、ベテランの語り部の方から佐賀藩(鍋島藩とも呼ばれる)に関する話に聴き入った。

藩校「弘道館」で育成された志士(江藤新平、大隈重信ら)が、幕末~維新のころ日本の基礎作りに関わった。取分け興味を持ったのは、分厚いコンクリート基礎の上に建築された佐賀城が、熊本城との対比で、地震にはびくともしなかった話であり、鍋島藩主の深慮に感銘した。

 

この後、焼き物の町・伊万里へ移動。

窯元がずらりと並ぶ焼き物の町。登り窯の実物が観光用に遺されている。

鍋島藩が、焼き物に力を注いでいたことを会館の映像で理解した。

藩お抱えの秘匿の「鍋島焼」の高い芸術性、一般市場に出す「伊万里焼」と「有田焼」の伝統の技が今も受け継がれている。

 

 

 

少し移動して、北方温泉四季の里・七彩の湯で車中泊。食事は、驚くほどボリューム満点だった。受付で車中泊と申し出ると、有料で屋外トイレを解放してくれた。

 

5日目:九州自動車道をくねくね走って、熊本県・菊池渓谷に昼前に到着。

渓流の見事な景色に見惚れた。観光客が意外に少なく、ここは秘境とは言い過ぎかもしれないが、穴場だと思えた。

ビジターセンターの建物が新しく、昼食をとりゆったりとした豊かな時を過ごせた。

 

熊本市街地に入り、水前寺公園と熊本城を観光した。

水前寺公園は、小奇麗な庭園を有し、外国人にも人気のようだ。

熊本城は、修復工事中だった。まだまだ復旧に時間がかかることを実感した。少し気になったことがある。修復中の石垣の基礎が強化されたかどうか? 先に見た佐賀城が、分厚い強固な基礎の上に建てられていて、地震に耐えれれたが、基礎がしっかりしていなければ、修復後再度地震によって崩壊しないか、気になったままだ。

 

6日目:天草諸島へ移動。

最初に天草ビジターセンターに立ち寄り、天草の歴史を映像で学んだ。

島々を抜けるのに想像していたより時間がかかり、諸島の西端にある〈天草ビジターセンター〉に着いたのは、昼過ぎになった。午前中小雨が降っていたが、雨が止み午後の〈イルカウォッチング〉船に乗船した。大宮からキャンピングカーで来た夫婦に会い、遠来の旅の楽しみを分かち合った。

200頭ほどイルカが生息しているというが、エサ不足なのか、小さな群れを散見するのみで、大きな塊に遭遇できず。

 

 

富岡城跡に立ち寄った後、下田温泉の宿に宿泊し、美味しい海の幸をたっぷり戴いた。天草島から見る夕陽は最高にきれいだと言われているが、夕食の時刻と重なるため諦めた。

 

7日目:阿蘇山に移動。

天気の良い週末を迎え、阿蘇山は大勢の人出で賑わい、車は渋滞した。

阿蘇山の大観峰から雄大な景色を眺め、のどかな遊牧地に放牧されている牛馬を見てほっこりとした。

帰路、県境に近い大分県の山間の温泉(筋湯温泉)に宿泊。いくつもの温泉に入れて、心のこもる食事がうれしかった。

 

8日目:一路、神戸への家路についた。

朝9時ごろ出発し、九州道から中国自動車道を通って休憩しながらゆっくり車を走らせ、神戸に着いたのは夕方6時ごろだった。

 

ゆったりした、変化に富んだ楽しい車旅でした!