【サバは、食卓でも外食でも人気の魚】
脂が乗っている旬のサバは、とても美味しい。
塩焼き、味噌煮、しめサバなど、食べ方のバラエティも数知れず、日本の国民魚と言っても過言ではないのでは。
青魚であるサバは、血液をサラサラにするEPAや脳機能をサポートするDHA(オメガ3脂肪酸)が豊富だとされていて、健康にもいい。
【日本のサバ漁と流通の問題】
そんなサバですが、その漁と流通に、大きな疑問が⁈
日本は文化も技術も進んだ国だと思っているが、そんな我が国で信じられない現象が存在する!
私には、"Shame"(日本の恥)にみえる。
★【輸出も輸入も多い】のはなぜか?
人気のサバが、大量に輸出されている。そんな馬鹿なことって、なぜ?
サバの輸出が、近年になってこんなに増えてきているのです!(Nippon.comより)
1999年は輸入量17万トンに対して、輸出量はわずか2000トンだった。
2004年頃から輸出量が急激に増加し、06年には17万トンとなり、輸出入量が逆転。
06年の輸出先は中国、韓国、タイのアジア3カ国が全体の6割を占めた。しかし、ここ数年、輸出先として存在感が増しているのがアフリカ諸国だ、という。
JETROから、こんなレポートが。
「サバは従来、アジア諸国(ベトナム、タイなど)へ輸出し委託加工され、第3国へ再輸出 されることが多かった。東南アジアに輸出された一部のサバは缶詰になり、日本に輸入品と して戻るものもある。近年は冷凍の小型サバが食用直接消費用としてエジプト、ナイジェリ ア、ガーナなどのアフリカ諸国に輸出されている」
つまり、近年、小さいサバを大量に獲って、日本では売れないので、アフリカに売りさばいている、という構図である。
★【日本のサバとノルウェイのサバの価値の差】
日本のサバとノルウェイのサバの比較(2020年の貿易統計データ)
漁獲量 水揚げ金額 単価
■日本 38万トン 480億円 110円
■ノルウェイ 21万トン 360億円 170円
●日本は、ノルウェイから〈脂の乗った大きなサバ〉を輸入:
【6万トン、単価220円】
●日本は、大量にサバを輸出:
【17万トン、単価120円】
こんなショッキングな、残念なデータがあるのです。
大量に安く輸出して、高く輸入している!
美味しいサバはノルウェイから買って、日本で売れない小さなサバは輸出している!
つまり、(儲けるのはノルウェイ)(小さな稼ぎのために働く日本)
☆【ノルウェイ】は、「漁獲可能量を漁業者又は漁船ごとに割り当て、割当量 を超える漁獲を禁止することによって漁獲可能量(TAC)の管理が行われている」
漁獲時期とサバの脂の乗りは、こんな風に表される。(出典:雑誌Wedge)
ノルウェイは、「魚の価値が高い秋から冬(旬)にかけて脂がのった大きなサバを漁獲」して、水揚げ金額を上げている。
つまり、漁獲管理が徹底されるため、価値の高いサバを漁獲する。
ノルウェーでは漁業・水産業は成長産業だというのです。
自分たちの海の資源をしっかり護り、効率よく漁業を行えば結果が出て、成長産業へと導き継続させているということでしょう。
★【日本】はサバ漁獲量が世界一ではあるが、
近年、「サバのサイズが小型で痩せてきている」と。
資源が増えて、一匹当たりの餌の量が減少し成長が遅くなっている〈密度効果〉が関係しているようです。
ここから、
「日本のサバの漁獲枠は過去10年で消化率約6割と機能していない」
「漁船はサバの時期・大きさを問わず獲ってしまう」
という実態が見えてくる。
いいマーケットが目の前にあるのに、もったいない!
なぜこんな漁業、流通が行われているのか?
行政(農水省、水産庁)、漁業関係者、流通業者(輸出)、それぞれが、実態を理解しているはず。
しかし、それを改善できないまま時を過ごしている。
(「誰かが日本丸を引っ張らねばならない」という差し迫った状況であるにもかかわらず。)
「どうすればいいか」すでに答えが見えているはず。
――すでに言い過ぎているかもしれないのですが、
行政や漁業関係者が、この実態をどう打破するか見守ることにして、ここで筆を擱きます。


