金沢には、岡村ちゃん(岡村靖幸)のDATEのために訪れました。ライブ遠征ってやつですね。せっかくだから…と、一泊して翌日に「純喫茶 ローレンス」へ。

ビルの三階にあるローレンス。ローレンスへ続く、門扉が閉まっていました。男性が一人、降りてくるのが見えたのでよく見てみると閉まってる…まさかの定休日か??えー嘘だろ…靖幸ちゃんの次に重要な場所だったのに…。そう、私は純喫茶がたまらなく好きでして。地元大阪でも、必ず「純喫茶スワン」にはいきます。用がなくても(笑)。ましてや、事前情報では「ものすごく怪しい」とか「ものすごく独特」とか言われたら、行くしかないじゃない…と思っていたのに。一旦は通り過ぎ、戻ってきたのですが、女性お二人のお客が、階段から降りてくるのが見えたので…。バスの時間までに、再チャレンジしようと思い、お土産を買いにぷらぷら30分ほどして戻ってくると…開いてた!門扉が!門扉をくぐると、すぐに階段。階段には、看板が。

階段を上がっていきます。なぜか、緊張してる(笑)。どうしてだか、ドキドキが止まらなかったんです。今にして思えば、何かが自分の中で開くような…そんな心境だったかもしれません。「んな、オーバーなぁ」と言われそうですが、過大表現ではなく。本当にそうだったんだから、不思議だなぁと思う。

扉を開けるのも、緊張して…。あの、古いドアを開ける時の「ギギギー」と音とともに、開けてしまったんです。「開けてしまった」って表現が一番しっくりくる。中に入ると、なぜか「うわぁ~」と声が漏れちゃうような(金沢では声が漏れっぱなしw)そんな感覚に見舞われました。すると、奥から…魔女(褒めてます)のような、少女のような、女主人が「いらっしゃいませ。ご旅行ですか?」と尋ねてきました。「はい、大阪から来ました(聞かれてませんw)」と答えると、「二人掛けのテーブルならどこでもいいですよ」と言われました。そして、私がその日の一番目のお客であること、開店時間なんてあってないようなものだ…と女主人は語りだしました。そして、五木寛之さんが通っていた喫茶店であると教えてくれました。あぁ、なんか調べた時にそう言えばそんなこと書いてあったなぁ程度でしたけど。

私は、導かれるような感覚でこのお席に…。とにかく、ドライフラワーがいっぱいで…半分ジブリみたいな空間が広がってました。メニューは一冊しかありません。そして、女主人は「私はコーヒーが嫌いなのよ」と。先にお断りされたのですが、注文してもなかなか出てきませんよ、一から作るからね…と言われました。「お時間大丈夫?」と聞かれましたので、バスまで2時間ありますと答えると、「じゃぁ大丈夫ね」と。この日の金沢、暑かったんでね。アイスティーを注文しました。そして、作りながら…女主人はずっとしゃべっていて。もし、お店の人に話しかけられるのが嫌な人なら、辞めておいた方がいいです…ずっとしゃべってます。私は不思議なんですが、ずっと聞いていられたし、もっと聞いていたいとすぐに思っちゃって。

そのあとすぐ、先ほどの男性(だと思う)が入ってきて。女主人は彼に「五木寛之さんが座ってたのはそこのお席よ」と教えていました…私には言わなかったのに(笑)。そう思うと、彼女、何か見えてたのかなぁと思います…。そのあとも5人ぐらいのお客さん、若い学生の女の子が一人…とやってきて、店内にぎやか…と言いたいところでしたが、にぎやかだったのは女主人のみで(笑)。私と男性客、学生さんは、ずっとそのおしゃべりに耳を傾けたり、笑ったり、質問に答えたり…。わかりやすく言えば、彼女は「境界線がない」人かもしれない。誰とでもお話しできる。私は一気にとりこになってしまってる自分に気づいたんです(笑)。ようやく、20分ほどしてアイスティーが運ばれてきました。

たっぷりすぎ…だと思ったのですが、1時間かけてこれを飲みながら、おしゃべりを聴きながら…。その話の中に、自分に通じるものがいくつかありました。女主人の、今まで歩んできた人生の話なので、ここでは書けませんが(プライベートだし)私はなんだか不思議と共感してたんです。そして、その人生が羨ましくも思ったのです…。楽しい時間はあっという間で、アイスティーを飲み終わるころには、バスの時間が迫っていました。バス停はすぐそこだから、結構ギリギリまでローレンスにいたかも(笑)。お金を払い、奥の部屋などを見せてもらい。飾ってある装飾品、イラスト、すべて女主人の作品だそうです。

 

そして、帰り際に

「いい人生を歩いてね。自由に生きていいのよ。私は勤めに出たことはないけれど、好きなことをして生きていくのもいいと思うの。お元気でね」

あれ、なんか目から汗が出そう(笑) その言葉に、ポンと背中を押された気がします。好きなことして、生きていこう。好きなものを見て、好きな人を思って。自由に生きるということは、自分で決めていっていいのだ。自分の責任で。たぶん、私に足りないのは自分で決めるということで、自分の道を自分の責任で歩いていくこと…かもしれない。いろいろと節目が来ちゃってる、たった今の私には、魔法のような言葉だったなぁと。やっぱり、彼女は魔女なのか(笑)。あの、扉を開ける時の「ドキドキ」は、この言葉を受けるためだったのかな。彼女は不思議な人だった。「また、絶対に来ますね」と告げて帰りました。女主人の笑顔に見送られて。

また、行きたいです。また、女主人に会いたいです。(2016.4.16来訪)

LOVE:ハートハートハートハートハート

 

純喫茶ローレンス

住所:石川県金沢市片町2-8-18

(香林坊のバス停からすぐでした)

営業時間:開店はオーナー次第~19:00

電話: 076-231-1007