隠し場所を忘れた鍵を
また見つけてしまった

開け方を忘れた扉が
また開いてしまった

忘れたと思っていても
本当はしっかり覚えていて
過去と今が重なる瞬間
ふっと扉が開いてしまう

「忘れられないの」
あなたの言葉が苦しい
「忘れてよ」
わたしの言葉が悲しい

誰を責めてみたところで
何も変わるはずもなく

だから いっそあなたも
無くしてほしい
その扉を開ける鍵も
扉の中にある記憶も

遠くの誰かを想うのは
「今」を生きるのに
大して必要のないこと

そう思えるようになった
今のわたしも愛してほしい

この愛がなければ
今のわたしは存在しない

この愛でしか
今のわたしは保てないから


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