「お前なんか嫌い」
私に向けた あなたの顔は
ひどく怖くて 俯いた

その手は 叩くためじゃなく
抱きしめるものだってこと
ずっと知らなかった わたし

「言いたいことがあるなら」
そう言って 言えなくした
それがあなたの やり方で

その口は なじるためじゃなく
愛を囁くものだってこと
ずっと知らなかった わたし

窓を風が叩いて
何もかもに怯えていた あの頃

風が強いこんな夜は
ダメ 泣けてくるよ

あの頃の私 抱きしめてほしい
あの頃の私 過去にはなれない

「愛してください」
そう言って願った 空
それを阻むように 風
私の髪をかき上げていく

この風を愛せるのはいつ?

早く静まれ 夜の風
私の心 かき乱さないで