umemonです。
美術館で監視員してます。
以前、対話型鑑賞のお話をしました。
少し時間が経ってしまいましたが
10月に美術鑑賞ガイドツアーをしたので
備忘録として記しておきます![]()
六本木アートナイトでボランティアガイドをしました。
参加者とおしゃべりしながら作品を見て歩く、というツアー。
同じ作品を見ていても
メンバーによって全然展開が変わります。
それが、とても楽しい!
新美のエントランスに展示されていたインスタレーション。
吉本直子さんの「日々の亡霊」
紐状になった白い布が幾重にも輪になったもの。
襟や袖口、縫い合わせなどの布が重なった部分だけになった白いシャツ。
それらは全部繋がっています。
骨組み?だけになった白シャツはどれも同じに見えますが
誰かが袖を通した古着で、ボタンやタグなど一つ一つが違う。
この作品を前に、皆で感想を言い合いました。
人生を感じる。
生と死。
輪廻。
他者との対話。
日常生活。
全景を見て出たワード。
そして今度はぐっと作品に近寄って見る。
汚れがある袖口が見えたりします。
すると急に「人が着ていた」ということがリアルになる。
その汚れに少し嫌悪感を覚える人もいる。
「皆さんは古着を買いますか?」と聞いてみました。
答えは大体半々くらい。
古着に対する感覚も人によって違います。
自分の着ていた服を売ることはするけれど、他人が着ていた服は買わない。
逆に、古着を買うけれど、自分の服は売らずに捨てる。
そんな感覚の中に、自分の好む他者との距離感が浮き彫りになったりします。
「自分のシャツをここに展示したいですか?」
あるグループでのこの問いには、面白い結果が出ました。
一人を除いて皆「展示したくない」。
「作品なのだから、全然構わない」と答えた女性は海外の人でした。
そして彼女は言いました。
「展示したくない、という感覚がとても日本的に感じる」と。
日本人は自分のことをオープンにするのを躊躇うイメージだそうです。
umemonは思わず頷いてしまったけれど、どうでしょうか?
対話型鑑賞には作品に関する知識が必ずしも重要ではない、
じっくり見て、考えて、意見を交わすことで、
自分の感覚が少し揺さぶられる面白さがあります。
当日は初対面のお一人参加が多かったのですが
それが更に、活発な意見交換を生んだと思います。
また機会があれば、こういったガイドをしたり
自分でも参加したいと思っています![]()


