いつものように夜、夕飯の支度を済ませ、スポーツジムに向かって小走りしていた。すると女性の方に呼び止められた。「すみません!わたし今日携帯を忘れてしまって、救急車呼んでください!!」ふと視線を向けると、電話ボックスの中に男性が座るような形でいる。突然のことにパニック、とりあえず、すぐに119番を押しながら男性のいる電話ボックスに近づく。
意識がない。泡を吹いている。すぐに場所と状況を報告。
息はしていますか?
→していないようです
お腹に手を当てて膨らみはありますか?
→ありません
心臓マッサージをしてもらえますか?今からやり方を指示します
→電話ボックスの中に座るような状態でいて、できる体制ではありません
では平らなところまで出してください
→わかりました
たまたまその時男性が通りかかり、3人かがりで引きずり出す。
数年前に職場でAEDの講習があり、その時に心臓マッサージの講習も受けていた。電話の指示とその時の講習の記憶とで、心臓マッサージを施す。必死だった。意識のないおじさんに向かって「頑張って、頑張ってください!」叫びながらマッサージを続ける。
時間の感覚は全くなかったが、おそらく2.3分以内に救急車が到着したと思う。
その間おじさんの心臓が動いた感じは感じられなかった。。
救急隊員によって搬送されていった。そのあとすぐに警察がきた。状況や私の身元などを淡々と聴取される。寒い中、一通り話したあと、「ありがとうございました、いいですよ」と帰された。私も第一発見者の女性も動揺とショックを受けている。警察もちょっとは温かい言葉をかけてくれればいいのに、思った。
電話ボックスの前にはその方が吐いたと思われる吐瀉物があった。苦しくて助けを求めようとして電話ボックスに入ったのだろうか。。心筋梗塞かな。。
ショッキングな出来事にしばらく放心、そして、自責の念にかられた。無駄な動きはなかっただろうか、心臓マッサージのやり方は正しかったのだろうか。
翌日、両腕の付け根は筋肉痛、心臓マッサージで地面についていた膝は全体が内出血していた。全力を尽くしたと思おう、そう自分を慰めるしかなかった。
どうか、助かっていてほしい。