コバエと戦っている。
我が家の名誉のためにいうが、決してゴミ屋敷化しているわけではない。これまでコバエなどいたことがなかったのに、なぜか数日前から急に困ることになった。原因は夫が置いていった珍味だ。食べかけで袋が空いてるまま、放置プレーしていたのだ。なんてヤツだ。
夫はホコリにうるさい。そりゃあ、もう、すごくうるさい。姑が指でホコリをシューっとする感じのうるささだ。それなのに、食べ残しや食べ物の袋とかはそのままでも気にならない。なんてヤツだ。
そのせいで今回はこんなに困ったことになっている。私は夫に猛烈なクレームをした。しかし夫は、最初にコバエを連れてきたのは自分じゃないという。
「多分、果物だよー。」
なんだと?!この発言にカッチーンとこない訳でもないが、若干確かにそうかもしれない…とも思う。でも、果物につられてきたのはほんの数匹で、間違いなく珍味によって増産されたのだ。ほんの少しでこんなに大きく膨らむ…。
怪しい投資話かよ。
今回はとにかく膨らまれては困るものに膨らまれてしまった。
アイツラはほんとに元気で、新聞とか読んでいてもその上を縦横無尽に走り回る。腹がたつので、手で叩いてやるのだが、まぁ、逃げ足が速い。モグラ叩きの比ではない。私は敗北感に襲われた。このままではダメだ…。
そこで私は新兵器を用意した。置き型のアレだ。あえて商品名は伏せさせていただく。仕事から帰ってブンブン出迎えてくれるヤツラに我慢ならなくなった私は、車に飛び乗った。新兵器を手に入れるべく!そして、置き型のアレを手に入れた。
ところが、置き型のアレは全くの期待外れで、誰も寄り付かない。アレには寄り付かないのに、私の顔にぶつかってきたりさらなる挑発を繰り返すようになった。悔しい。許すまじ。
そして、私は次の日、更に新たな兵器を入手。今度はシュッとするアレだ。私は期待に胸を膨らませて、指に力を込めた。
シュッ!おお、これで私は救われる…。そう思ったのもつかの間、ヤツラは元気に私の顔の前を横切りやがった。この絶望感。どうすればいあのだ…。
ところが、数時間経つとヤツラが挑発してこなくなったことに気がついた。お?おお??!見れば、瀕死で転がってるのもいる。私の前を走るのもいたが、明らかに足取りは重くなっている。さっきのバカにしたような態度はどうしたのか。私は遠慮なく最後の一撃を下し、退治した。初めての勝利…こんなに嬉しいものか。これで解決…。
ところが、次の日会社から意気揚々と帰ってくると、また信じられない光景が。デジャブなのか?またもや、ご丁寧にお出迎えが…。正体は…まさかのニューフェイスどもだ。コバエの繁殖力はすごいとは聞いてはいたが、こんなにすごいとは。しかも、ニューフェイスども、やっぱり置き型のアレには1匹もいない。
かくして、また私はシュッとした。原因になりそうなものは全て処分したはずなのに、一体何がヤツラをそんなに引きつけてしまうのか。何がそんなに魅力的だというのか…。気が遠くなりながら、頭の中でまたゴングがなった。戦いの日は続く…。
って、もー!終わってよー!いやだよー!
あ、そうそう。置き型のアレの名誉のために付け足しておくが、数日してから見てみると、置き型のアレの魅力に気がついた数匹が入っておいででしたよ。