写真館に写真を撮りに行く




何でもないような行動でも長男にとっては実はとても苦労することがあるのです。


少し長くなるかもしれないですが、長男のパーソナリティについて書こうと思います。


長男は自閉症スペクトラムです。

彼は自閉症スペクトラムではあるけれども重度ではなく、知的発達症(知的障害)もないのでパッと見で分かることはまずありません。彼は自分の自閉症スペクトラムの診断に納得はしていません。頭の中の仕組みが少し他の人と違うんだよ、とは教えましたが抽象的な説明ではどこがどう違うのか分からず納得ができないのです。自分が他の人とどう違うのか分からないので『自分は自閉症スペクトラムではない』という理論を繰り広げてきます。なので、彼は自分が自閉症スペクトラムだと言うことを他人に知られることをとても嫌がります。


彼は私たちよりこだわりが強いです。

・自分の思っていることと他者の考えが一致していない時になぜ同じように思えない(考えられない)のか分からず拒絶してしまうことがあります。捉えようによっては歪な理論で言い負かそうとしているように見えます。そして相手が折れないと不機嫌になっていきます。これがひどくなるとパニックを起こしたり、癇癪を起こしたりします。←不機嫌になり始めたら「この話は多分あなたと考え方が違うみたいだからやめようね」と中断して最悪の事態を回避するようにします。

・予定の変更が苦手で、急な変化には対応ができなくなることが多いです。対応してくれてもかなりのストレスになります。最悪な場合は予定をキャンセルすることになります(予め予定を伝えておくとスムーズに行動できることが多いです)

・自分が納得したことでないと行動に移すことが難しいです。

・新しい環境への適応が苦手です

・過度に人目が気になります


今はパニックになることもだいぶ減っているので顕著な症状はこれくらいです。他にも偏食だったりはありますが今回は割愛します。これを症状と捉えるのか個性の延長と捉えるかは人それぞれだと思いますが...。


タイトルの件に戻ります。なぜ写真を撮りに行くことが大変か?それは彼が帯同について納得していないからです。写真を撮ることは何も問題はないのです。でも、彼の思考の中では(恐らく)パスポートの写真を撮る🟰アメリカに行くなので、写真を撮ってしまったら絶対にアメリカに行かなくてはいけないと考えていたのではないかと思っています。どんなに写真撮影🟰帯同決定ではないよと伝えても(実際に帯同しなくてもパスポート作成が必須)、一緒に行かないのだから作る必要はないの一点張りで埒が明かないのです。埒が明かなくても写真は撮ってもらわないとビザの申請がどんどん遅れてしまうので、分かっていつつも平行線の会話を繰り広げないといけないわけです。


結局、タイムリミットがきてしまい先に長女と次女と私だけ写真を撮り、長男の撮影は後日に延期することになりました。ここで写真撮影の交渉を夫にバトンタッチしました。夫に代わったからと言って長男の意思が変わるわけではありません。ただ窓口変更をしただけです。夫から「行かなくても(帯同)いいから、パスポートだけは作って(本当はビザもだけど)」と懇願され渋々撮影に行ってくれるという流れになりました。今回は泣き落とし作戦が成功しました。


が、このあたりから長男のアメリカ行きたくないの主張はどんどん強くなっていきました。彼にどのような選択肢が出せるのかを真剣に夫婦で考えました。どのような選択肢が提示できる(可能性)か、親の意向を彼に伝えて、その上で彼の意思で決めてもらいました。実はこれすごく時間かかりました。恐ろしく長く彼との攻防は続きました。それはまた次回に書きたいと思います。


※今回、彼の了承なくこの内容を書くことが良いことか分からないですが、神経発達症(発達障害)はこだわりのあるポイントがバラバラすぎて何を参考にすれば良いか迷うことも多いと思い、我が家の場合はという事で誰かのお役に立てればと考え投稿しました。ゆくゆくはこのブログのことも話していこうと思います。