あれからというもの、本屋さんを見つけると吸い込まれるように入ってしまう。

 

店内でふらふらと彷徨いながら、足を止めるのは "何の為に生きるのか” 

というようなものや、”自分の心の中を整理しよう” 

というような本ばかりが置かれたコーナー。

 

ほんの3ヶ月程前には、"どうしたらもっと良い仕事ができるか”

”さらにスキルをあげるには” ”高いモチベーションで仕事に取り組めるか” 

といった内容の本ばかりを意欲的に読んでいたのだから、

人の心というものの、足をすくわれ転げ落ちるのが、

如何に簡単で呆気ないものかを思い知る。

 

 

 

先日上司二人には退職の意向を伝えたものの、反応はどうだったかというと、

結論から言えば慰留された。

 

そして、私の感想を言えば、二人とも話にならなかった。

途中で会話に窮して、私の方が黙り込んでしまった。

 

そしてそのまま半ば中に浮いたような状態になっている。

 

 

 

上司との話し合いの後から、自分の中で何とも言えない気持ちの落ち込みがあり、

恥ずべきことながら、この腑抜けた有り様である。

 

 

 

 

「今月で担当も外されると言うし、私では能力不足で成果を出すことができないので退職したい」と申し出た私に、

 

上司の一人は「成果を出せばまた意欲的になれるはず!」

とアベコベな説得を繰り返し、話の堂々巡りに頭を抱えてしまった。

 

また、もう一人の上司は、

「今まで開拓し担当して来たお客様の流失が少ないのは、あなたの堅実な仕事ぶりが評価されてのこと」

と言ったかと思ったら「堅過ぎるから成果に繋がらないのだ」と言ってみたり、

私自身の性格を取り上げて、「後ろ向き過ぎる」と、それがこの問題の根源であるかのように言ったり、

話の中でいくつも否定されるような言葉を浴びせられ、最後はこちらも言葉が出なくなってしまった。

 

もっとも、上司も私をなだめる為に、私を評価していると言おうとしているのは伝わって来たが、

本音が出たのか話が下手なのか、結局否定されて終わった。

それが率直な感想だった。

 

 

 

そして糸が切れた。

糸の切れた凧となって、また本屋さんに吸い込まれ、そこで目に留めた本のタイトルを見ることで、

自分の深層に触れる気がしている。