★ベルリンは晴れているか/深緑野分
読了したのは、もうずいぶん前の事ですが、数年後テレビ放送を見ていて、ある種の既視感を覚えました。
それは「NHKスペシャル映像の世紀」という番組でした。
ヒトラーやナチスドイツをフィーチャーした再放送でしたが、以前に観た記憶は無く不思議でした。
しかし番組が進むにつれ、それが漸く本書「ベルリンは晴れているか」の幾多の文章が紡ぎ出した舞台だという事に気づきました。
白黒フィルムが映し出す、ベルリンの悲惨な光景……それは、本書を読んでいた時に頭の中で描いた世界と寸分違わぬ物でした。
おそらく深緑野分さんは、この映像をご覧になっていくつかの場面を執筆されたのでしょう。巻末の主要参考文献一覧に、この番組名がありました。
観たものを忠実に言葉に表すという事が、どれだけ難しいかは人それぞれかもしれませんが、深緑野分さんは見事にそれをやり遂げています。脱帽です。
もちろん、ストーリーも素晴らしいので是非ご一読ください。
「オーブランの少女」、「戦場のコックたち」も併せてお勧めします。
