行ってきました。

 

 

 

 

2026年3月21日(土)14時開演

牛田智大 ピアノ・リサイタル

東京芸術劇場 コンサートホール(東京)

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1か月弱の期間の中で、全20回の牛田くんのオール・ブラームスリサイタル。

 

気が付けば、この演奏会を入れて、残り2回となりました。

 

 

 

 

 

 

池袋駅西口を出てすぐのところにある東京芸術劇場。

 

 

劇場前の広場では、屋外ステージで賑やかなイベントが行われていました。

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広場の奥にある東京芸術劇場。

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広々とした空間を、エスカレーターで上がります。

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ホール階から見下ろす景色はジオラマのよう。

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ホール前の天井には、ドーム型の鮮やかな絵画。

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東京芸術劇場 コンサートホール(1999席)

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(画像お借りしました)

 

 

設備更新工事が終わり、昨年9月にリオープンしたこのホール。


牛田くんが生まれた年と同じ、1999席という大きなホールで

 

コンチェルト経験はあるけれど、牛田くんがソロ・リサイタルを行うのは今回が初めてです。

 

 

 

ご覧の通り、重厚で威圧感さえ感じる独特の雰囲気。

 

回転式だというパイプオルガンの様子をどうしても思い出せないのですが

 

おそらくこのときは隠れていたようです。

 

 

ホール全体の大きさの割には

 

あまり広く感じない舞台の中央に置かれたスタンウェイ。

 

艶々と黒光りしていました。

 

 

 

 

入口で渡されたずっしりと重いチラシの束を1枚ずつ見ていたら

 

11月の室内楽のものがありました。

 

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(最後の方でもご紹介します)

 

 

 

 

初めて見る第一生命ホールのチラシの裏面に、牛田くんの言葉がありました。

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リヒャルト・シュトラウスとブラームスとの関連が書かれたその文面を読んだら

 

オール・ブラームスのリサイタルツアーが明日で終わってしまうことの寂しさが

 

ほんの少し和らいだような気がしました。

 

 

 

 

 

開演15分前に、ちょっと不思議な音楽が鳴り、アナウンスがありました。

 

 

客室内には携帯電話抑制装置があること

 

演出効果のため、避難口の誘導灯を消灯していますということ

 

30名のお客様にスキンケア商品のプレゼントがあるので、パンフレットの中に当選通知が入っていた方はロビーのお渡しコーナーまでお越しください、ということ。

 

 

そういえば、ロビーに「プレゼント引き渡し所」的なコーナーがあったけど

 

残念。私のところには当選通知らしきものは入っていませんでした。

 

 

携帯電話の電源をお切りくださいというアナウンスを聴きながら

 

昨日の名古屋での残念だった着信音を思い出し

 

もう本当に、昨日のようなことがありませんようにと強く願いました。

 

 

避難口の消灯や、途中入退場が出来ないことなど

 

今回のリサイタルには、今までになかった演出効果や注意事項があり

 

このプログラムにおける集中と世界観を、とても大切にしていることがうかがえます。

 

私自身、こんなに静かであってほしいと願ったことは、今まであまりなかったような気がします。

 

 

 

 

 

 

プログラム

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オール・ブラームス・プログラム

 

♪7つの幻想曲 Op.116

第1曲「奇想曲」ニ短調

第2曲「間奏曲」イ短調

第3曲「奇想曲」ト短調

第4曲「間奏曲」ホ長調

第5曲「間奏曲」ホ短調

第6曲「間奏曲」ホ長調

第7曲「奇想曲」ニ短調

 

♪3つの間奏曲 Op.117

第1曲「間奏曲」変ホ長調

第2曲「間奏曲」変ロ短調

第3曲「間奏曲」嬰ハ短調

 

~ ~ ~ 休憩 ~ ~ ~

 

♪6つの小品 Op.118

第1曲「間奏曲」イ短調

第2曲「間奏曲」イ長調

第3曲「バラード」ト短調

第4曲「間奏曲」へ短調

第5曲「ロマンス」ヘ長調

第6曲「間奏曲」変ホ短調

 

♪4つの小品 OP.119

第1曲「間奏曲」ロ短調

第2曲「間奏曲」ホ短調

第3曲「間奏曲」ハ長調

第4曲「ラプソディ」変ホ長調

 

 

 

 

ゆっくりゆっくり客席が闇に沈むと

 

床に反射した舞台の光に照らされて

 

ピアノがUFOみたいに下から発光しているように見えました。

 

 

 

厚い木の扉が開き、牛田くんが登場しました。

 

 

 

挨拶をしてピアノの前に座り

 

両手を膝の間に置いて集中するように、一呼吸置いて弾き始めました。

 

 

額にかかる一房の髪。

 

 

 

 

 

7つの幻想曲

 

 

 

内省的な…と言ったらいいのか

 

いぶし銀のような音色に、なぜかとても感銘を受けました。

 

 

格式ある東京芸術劇場での初めてのリサイタル。

 

注目度も高く、評論家の先生方も足を運ばれていることでしょう。

 

けれど、気負いや力みを感じさせず、ただ晩年のブラームスの持つ世界観に寄り添っているようで。

 

 

地底から吹き上げるマグマのような低音が

 

深く豊かに響いてきました。

 

 

 

どの曲も、一本調子で終わらない感情の移ろい、心の襞(ひだ)。

 

そして、ほとんどの曲に寂しさのエッセンスが織り混ぜられています。

 

 

 

Op.116-4は、小さな星の瞬きのように始まって

 

やがて目の前に広がる広大な星空

 

小さな宇宙。

 

何百年も昔、ここが自分の故郷だったのかもしれないという

 

言い知れぬ懐かしさを感じます。

 

 

弾き終わり、そっと鍵盤から離れた牛田くんの右手が

 

白く発光しているように見えました。

 

 

 

 

Op.116-5は、最後の方で一斉に教会の鐘が鳴り出したように聴こえました。

 

 

 

 

甘く優しいOp.116-6。

 

けれど内側に哀しみを宿している。

 

中間部で、ほんの一瞬、子供に帰ったような懐かしさを感じるのは

 

「夕焼け小焼け」にちょっと似てるメロディがあるからかな。

 

 

 

 

最初の頃、怒りや情熱を感じていたOp.116-7で今日感じるのは

 

意識が遠のいていくような

 

平衡感覚を失っていくような不安。

 

救いのない狂気。

 

 

 

 

7つの幻想曲を弾き終えると

 

牛田くんはタオルで手の平の汗を拭いました。

 

 

 

 

 

3つの間奏曲

 

 

トントンと、優しく背中をたたかれて

 

母に寝かしつけられているようなOp.117-1。

 

 

さっきまでの激しさが嘘のよう。

 

ゆったりと心地よく

 

座席に体を沈めて深呼吸したくなる。

 

 

でも、そのうちに空気が変わる。

 

この曲も、心の底に悲しみを抱えてる。

 

 

眠れ 眠れ。

 

涙よ、乾け。

 

悲しいことも 

 

失くしてしまった宝ものも

 

みんな忘れて

 

静かに眠れ。

 

 

 

Op.117に入った頃から

 

ピアノの音色がどんどんくっきりと歌い出したように感じました。

 

 

すべてを包み込むような低音の響きと

 

音なのか光なのか、分からなくなりそうな繊細な高音のピアニッシモ。

 

 

 

 

Op.117-3は

 

呟くようだったり

 

囁くようだったり

 

慟哭するように聴こえたり

 

表情を変えながら繰り返すこのメロディを

 

これからも日常で何度も口ずさんでしまいそうだし

 

愛おしいと思う。

 

 

ああ、そして最後に残るのは、胸に重く突き付けられる孤独。

 

 

 

 

 

 

休憩時間にトイレに行ったら

 

壁や扉が大理石のような濃いグレーで

 

便器がブルーでした。

 

 

すごいわ、東京芸術劇場。

 

またの名を、東京メトロポリタンシアター。

 

 

 

こんな素敵なカフェもあったのね!

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展示コーナーに、ベートーヴェンの直筆譜も。

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6つの小品

 

 

 

鳥になって、海の上を滑るように飛んでいる気分になるOp.118-1。

 

 

男性的なのに、終わり方がすごくささやかで優しい。

 

 

 

 

その、ささやかで優しい世界を引き継いで

 

深く厚く展開させていくOp.118-2。

 

 

痛みにそっと寄り添って、包み込んでくれるような優しさに

 

すべてを手放して、ただ委ねたくなる。

 

 

 

 

Op.118-5のロマンスは、今日も幻想的でした。

 

 

この曲に限らず、時々この世のものとは思えないほどファンタジックな音色がホールの空間を漂います。

 

 

 

 

 

 

4つの小品

 

 

クララが「灰色の真珠」と表現したというOp.119-1は、心の内側へ内側へと入り込んでいくような独特の揺らぎ。

 

 

 

そして、Op.119-2あたりから、ああ、もうすぐ終わっちゃうんだな、と。

 

 

寂しいけれど、不思議とさっぱりしているような充足感。

 

 

今日も牛田くんのブラームスを十分に楽しんで

 

感傷的にならずに、俯瞰的に聴けたことが

 

なぜか私は嬉しいんです。

 

 

うまく言えませんが、この作品を通して

 

私自身も少し成長させてもらったような気がします。

 

 

 

男性性と女性性

 

情熱と諦め

 

しぶとさと儚さ

 

 

様々なコントラストを味わいながら

 

今日も本当に心地よく、深く豊かな時間でした。

 

 

 

 

 

 

アンコールの1曲目は、ショパンの舟歌。

 

 

いつもそうですが、今日もブラームスの時とは音色が変わり

 

今までのショパンともまた違う自由で開放的な音色。

 

 

 

2021年のショパンコンクールで

 

この曲を演奏しながら、牛田くんがこぼしていた涙を思い出しました。

 

 

 

いろんな波を乗り越えて

 

ここまで来たね。

 

 

 

1999席の大ホールを今日も満席にして

 

新たな境地への一歩を、確かに踏み出した牛田くん。


 

おめでとう。

 

おめでとう!

 

 

 

 

 

 

アンコール2曲目はノクターン17番。

 

 

 

優しくて柔らかな花びらの香りがしてきそうでした。

 

 

 

 

ありがとう。

 

ありがとう。

 

 

 

 

胸がいっぱいになって

 

あちこちからすすり泣きのような声も聴こえてきて

 

 

牛田くんの

 

そして、今ここにいるすべての人たちの幸せを祈りました。

 

 

 

 

 

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船   船   船   船   船

 

 

 

コンサート情報です。

 

 

 

 

まず、11月の室内楽プロジェクトVol.4の全公演が発表されました。

 

 

 

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11月14日(土)15時 北九州市響ホール(福岡)

 

11月15日(日)14時 やまと芸術文化ホール メインホール(神奈川県)

 

11月18日(水)19時 第一生命ホール(東京)

 

11月19日(木)19時 長岡リリックホール(新潟)

 

11月20日(金)18時30分 町田市民ホール

 

11月21日(土)15時 岡崎氏シビックセンターコンサートホール(愛知)

 

11月22日(日)14時 大垣スイトピアセンター 音楽堂(岐阜)

 

11月23日(月・祝)14時 掛川市生涯学習センターホール(静岡)

 

 

これまたハードスケジュールですねえ…あせる

 

 

 

 

 

もう一つ、素晴らしいお知らせが!

 

 

2027年2月13日(土)15時開演

室内楽(ゲヴァントハウス弦楽四重奏団)

川口総合文化センター (埼玉)

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
(^-^)ノ~~