新党「チームみらい 」に求められる現実的な設計図
前回の参議院選から登場した新党、チームみらい。消費税減税より社会保障制度を軸に掲げるなど、従来とは異なるアプローチを取っているが、肝心の数字は見えない印象だ。
子育て世代への所得税減税は理解できる。しかし全体としては要求が多く、「税金を下げる」「支援を増やす」といった良い話ばかりが並ぶようにも見える。
税金は無限に湧いてくるわけではない。納める国民と受け取る国民は基本的に重なっている以上、負担と給付のバランスを避けて通ることはできない。財務省ではないがどこかから財源を用意しなければならない。
年金問題は「誰が払うか」から逃げられない
ウマ鹿の個人的な意見として、年金制度は本来の設計――現役世代の支払分を国が運用し、個人に返す仕組みに戻すべきだと考える。
しかし当然、現在のように原資のないまま受け取っている高齢者に同額支給を続ければ、確実に赤字が発生する。
問題はその穴埋めだ。
おそらくGDP数年分はある負担を、現役世代が負担するのか、高齢者が負担するのか、国債を発行するのか。
どこで折り合いをつけるのかという議論になる。
自分の中では「1:2:7」という配分のイメージはあるが、このような具体的な数値を示さない限り、賛成とは言えない。ぜひチームみらいには明確な案を提示してもらいたい。
年齢を重ねて変わる価値観と政治の未来
歳を取ると、年功序列も悪くないと感じるようになる。正直、40歳を超えたあたりからそう思うようになった。これがいわゆる老害の入口なのかもしれない。
ベンチャーでゼロか成功かの世界よりも、安定経営の中小企業で80を維持する方がいい。成功しても200ではなく120で構わない。これには肉体の衰えも関係しているだろう。
何が正しく、何が正しくないかという基準も、年齢とともに微妙に変わってきた気がする。
「老いては子に従え」この言葉は案外真理かもしれない。若い世代が踏ん張らなければ、この国の政治に“みらい”はないのだから。
ITと行政改革に期待する理由
党首の安野氏の経歴から考えれば、最大の期待はITと行政改革だ。
給付金は申請制ではなく、自動で届く仕組みにしてほしい。AIなど最先端技術を持つ人物なら可能なはずだ。
コロナ初期、マスク不足の際には台湾は店舗在庫をマップ表示するアプリを瞬時に構築した。一方、日本では薬局に人が殺到した。IT後進国と言われても仕方のない状況だった。
名古屋の行政はいまだに紙と印鑑文化。マイナンバーカードで「申請書が印刷できます」ではなく、「必要書類がその場で取得できます」が本来の姿だろう。ペーパーレス行政、国産アプリの整備が実現すれば、日本の行政は一段上のステージにようやく進む。
そこまでできれば、米国で失敗した政府効率化省のような役割を担い、既存政党と協力する形でも十分価値があるのではないかと感じる。
余談
どうでもいい話だが、党首は安野氏。動画で見れば一瞬で男性だとわかる。声も男性だ。
しかし写真になると「女性?」と思ってしまう。中性的な顔立ちで、髪や肌の情報から判断しようとしても、6:4くらいで女性と誤認してしまう。なかなか不思議な印象の人物だ。
まとめ
チームみらいは、新しい視点と技術志向を持つ新党として注目される存在だ。しかし、社会保障や年金といった核心部分はまだ抽象的なままだ。
減税と給付、世代間負担、財源の配分――これらを具体的な数字で示せるかが評価の分かれ目となるだろう。理想だけではなく、現実的な設計図が提示されたとき、この党の本当の価値が見えてくる。