そして、そこからさらに鉄道の旅はつづきます。

次に乗ったのは会津線、13:38発の会津田島行き。
乗り換えまで7分しか無かったので、会津若松の雰囲気に浸ることなく飛び乗った車両は、
会津鉄道のお座トロ展望列車「会津浪漫号」の「星号」。
会津鉄道のお座トロ展望列車「会津浪漫号」の「星号」。
実はこれも週末を中心に基本1日1.5往復しか運行されないイベント列車なんですよ。
そしてこの列車は3両しか無いのですが、1両目はなんと「お座敷車両」なんです!

靴を脱いで畳の上にあがれ、テーブルの下は掘りになっていて超リラックスできる環境。
脱いだ靴は通路脇の下に入れ、スリッパも用意してあります。
車窓を流れる景色を見ながらここで宴会でもやれたら最高ですよねぇ~。
車窓を流れる景色を見ながらここで宴会でもやれたら最高ですよねぇ~。
ちなみに全部で36人分の席があるのですが、1車両貸し切る事も出来るんだそうですよ。
2つ先の西若松駅では多くのお年寄りがほぼ貸し切り状態で乗られました。
でも、ボクらが楽しみにしていたのは「お座敷車両」じゃなくてこれ↓

そう、これは窓ガラスの無い「トロッコ車両」なんですよ。
会津線沿いに流れる田園や森林の香りを直接風に感じながら走ります。
まあ、窓が無いのはこの6月からで、さすがに冬場は窓ガラスがついているそうですが・・・
まあ、窓が無いのはこの6月からで、さすがに冬場は窓ガラスがついているそうですが・・・
それなりにスピードはあるので、帽子やキップなどが風で飛ばされない様にと注意がありました。
また、風や走行音がダイレクトに聞こえてくるので会話は弾まないです。
また、風や走行音がダイレクトに聞こえてくるので会話は弾まないです。
でも、これはなかなか貴重な体験ですよねぇ~
窓が開けられなかった「ばんえつ物語」とはまた逆で、これもまた楽しいッス。
窓が開けられなかった「ばんえつ物語」とはまた逆で、これもまた楽しいッス。
普通乗車料のプラス、トロッコ整理券300円を払えば、まるでTDLの「ウエスタンリバー鉄道」の様な気分♪

景色は街並みからはずれ未開の地へ・・・ じゃなくて、だんだんと田園風景と流れて行きます。
いつものお昼寝の時間が迫ってきてウトウトしはじめた息子も、この移り変わる風景に声を出して大興奮!
ちなみに3両目は「展望車両」として、普通の窓つきの車両に
最後尾の数席は少し高くなっていて、大きめの窓から過ぎ去る景色を眺められる様になっています。
最後尾の数席は少し高くなっていて、大きめの窓から過ぎ去る景色を眺められる様になっています。
そして列車は約30分走り、芦ノ牧温泉駅に到着~。

ここでは約13分間停車してくれます。
と、いうのもここ「芦ノ牧温泉駅」にはネコの駅長「ばす」がいるんです。
駅にはオリジナルグッズやイメージソングが収録されたCDまで販売され、
この「トロッコ車両」の車体にも「ばす」のイラストが施されていたり、
全国のマスコミに取り上げられたりと、この会津鉄道のアイドルなんですよ。
この「トロッコ車両」の車体にも「ばす」のイラストが施されていたり、
全国のマスコミに取り上げられたりと、この会津鉄道のアイドルなんですよ。
「ばす」が2008年に名誉駅長として任命された次年度からは、この駅の利用客数が50%も増加したそうです。
そんな「ばす」に会うために、長い時間停車してくれるという訳ですが、あれれ?!寝ているぞz.z.z

どうやら夜勤明けで眠いようです。
ここには女性の駅長さんもいるのですが、一応「ばす」も仕事があって
毎日お客様の送迎、記念撮影のモデル、構内外巡回などでとても忙しいのだそうです。
さすがに16歳のお婆ちゃんに徹夜はキツいでしょう。
毎日お客様の送迎、記念撮影のモデル、構内外巡回などでとても忙しいのだそうです。
さすがに16歳のお婆ちゃんに徹夜はキツいでしょう。
ちなみに、「ばす」に会うには4つの注意事項があって、
1.写真撮影はストロボをたかない。
2.犬などを近づけない。
3.寝ている時に無理やり起こさない。
4.巡回中には会えない場合もある。
1.写真撮影はストロボをたかない。
2.犬などを近づけない。
3.寝ている時に無理やり起こさない。
4.巡回中には会えない場合もある。

もともと「ばす」は2000年に近所の子どもに拾われてきた、
チンチラとトラのミックス・ノラ猫だったらしく、この駅に住む猫としては3代目。
「となりのトトロ」の登場する「猫バス」から名づけられたのだそうです。
またこの駅にはさらに「鉄ちゃん」がよろこびそうなものが見られます。
それはこの会津線を引退した車輌「AT-301」こと、元国鉄「キハ30 18」の展示。
それはこの会津線を引退した車輌「AT-301」こと、元国鉄「キハ30 18」の展示。

現役を退き静かに余生を過ごしているその中は、座席を使用した休憩所となっています。
また、Nゲージとプラレールのちょっとしたジオラマや、
昔の写真なども展示してあり、子どもたちを待っているようでした。
昔の写真なども展示してあり、子どもたちを待っているようでした。
さらには、国鉄時代のこの駅の旧名だった「上三寄駅」と書かれた駅名標が残っていたり、
また新品でしたが「会津鉄道神社」というものもありましたよ。
また新品でしたが「会津鉄道神社」というものもありましたよ。

見どころはたくさんありましたが、再び列車は芦ノ牧温泉駅を発車しました。
流れる景色は森林となり山間部へ。
トンネルに入ると風は冷たく轟音が鳴り響くのですが、そこでも息子はシャウト!
トンネルに入ると風は冷たく轟音が鳴り響くのですが、そこでも息子はシャウト!
なんと、真っ暗になった車内に「ばす」の足跡浮かびあがったのです。
その他、この沿線に姿を現すという、熊、鹿、タヌキ、猿、キジが描かれた絵も発光。
その他、この沿線に姿を現すという、熊、鹿、タヌキ、猿、キジが描かれた絵も発光。
前情報ではトンネルに入ると天井の電球がキラキラと光り、星空の様に見えると聞いてきたのですが、
夜光シートを貼っただけの単純な作りだけど電気も使わないこの演出の方が素敵ですね♪
夜光シートを貼っただけの単純な作りだけど電気も使わないこの演出の方が素敵ですね♪

これ以外にも車内の座席シートにも動物たちが描かれていたり、
車内に設置されているポストにハガキを投函すると「ばす」の絵が入った消印が押されて配達されたり、
「ばす」グッズや飲食類がある売店もあったりで、色んな工夫がされているのに好感が持てました。
また、この列車の最大の演出と言えば風景なのですが、
なんと渓谷などの絶景ポイントで列車を一旦停止してくれるんです!
なんと渓谷などの絶景ポイントで列車を一旦停止してくれるんです!

芦ノ牧温泉駅~湯野上温泉駅間で2ヶ所、湯野上温泉駅~塔のへつり駅間で1ヶ所。
じっくりと見られてしっかりと写真も撮れるんですよ。
紅葉の季節なんかさらに絶景何でしょうねぇ~
紅葉の季節なんかさらに絶景何でしょうねぇ~
でも息子は『あぶないよぉ』とか言ってビビってましたが・・・
さて、次の駅は湯野上温泉駅。 ここでも14分間停車します。

この「湯野上温泉駅」は寄りの観光スポットである「大内宿」の街並みになぞられて
日本で唯一のワラ葺き屋根の駅舎で有名なんですよ。
この駅も女性駅長さんで、東北の駅百選や日本鉄道賞・特別賞にも選ばれた話題の駅なんです。
待合室には囲炉裏があって有人の時は火が入れられていて情緒がありますが、
これは茅の虫除けのためにも必要なんだそうですよ。
これは茅の虫除けのためにも必要なんだそうですよ。
また、さらに昨年この駅に新しい話題のスポット、足湯の「親子地蔵の湯」が誕生したんです。

もともとここは温泉地ですが、さらにこの温泉地に訪れたお客の旅の安全と健康、
地域の発展を祈願して「親子地蔵尊」がこの駅の駐車場に建立されていました。
それを昨年、この足湯に移設したことから「親子地蔵の湯」と名つけられたんだそうです。
ボクらも入りたかったのですが、「お座敷車両」にいたお年寄りが
猛スピードで列車を降りて定員20名ほどのところをアッと言う間に占領してしまったので、
息子だけを隙間から浸からせてもらいましたよ。
猛スピードで列車を降りて定員20名ほどのところをアッと言う間に占領してしまったので、
息子だけを隙間から浸からせてもらいましたよ。
しかし、なんとここで! ついに空から雨粒が落ちてきちゃいましたよ!
さすがにこの雨が吹き付ける中で窓ガラスの無い車両は罰ゲームなので、
ボクらは「お座敷車両」に移動しました。
ボクらは「お座敷車両」に移動しました。
窓ガラス越しに絶景ポイントも一次停止しましたが、この先の事を考えるとちょっと憂鬱。

だってボクらのこの列車の降車目的地は次の「塔のへつり駅」なんですもん。
駅から歩いて3~4分のところに観光スポットの「塔のへつり」はあるのですが、
国指定天然記念物だけに自然の中にあります。
国指定天然記念物だけに自然の中にあります。
この無人駅で次の折り返しの電車が来るまで1時間以上待つのも暇過ぎるので、
思い切って家族全員ビショ濡れになりながら「塔のへつり」の駐車場にある
お食事処まで歩きましたよ。
思い切って家族全員ビショ濡れになりながら「塔のへつり」の駐車場にある
お食事処まで歩きましたよ。
そして、相方と息子はもうこれ以上進ませる訳にはいかないと思い、
ボクだけ豪雨の中1人「塔のへつり」へ行って写真とビデオを撮ってきました。
ボクだけ豪雨の中1人「塔のへつり」へ行って写真とビデオを撮ってきました。
それがこの写真です↓

凝灰岩の岸壁が「大川」によって侵食され、塔が並んで立っているような景色が見られます。
「へつり」とは、この地方の方言で川にせまった崖や急斜面のことを言うそうですよ。
一応、つり橋も渡って向こう側にも行ってきましたが、これは息子を連れて行かなくて正解。
雨も降っていたので狭い足場は滑るし、谷底に真っ逆さまだったかもしれませんもん。
雨も降っていたので狭い足場は滑るし、谷底に真っ逆さまだったかもしれませんもん。
そう、思いながら無事にお食事処に生還すると、
出る前に注文していた「山菜会津蕎麦」と「みそ田楽」がきていました。
出る前に注文していた「山菜会津蕎麦」と「みそ田楽」がきていました。

「みそ田楽」と言ってもこんにゃくじゃなくてお餅。
息子が『おいしい~』と言ってほとんど1人で完食してしまったので、味見はできませんでした。
また、会津は蕎麦どころでもあってこの十割であろう風味高い田舎蕎麦は最高♪
雨に濡れた身体により美味しさが沁み渡りましたよ。
雨に濡れた身体により美味しさが沁み渡りましたよ。
そしてさらに会津が今オススメしているB級ご当地グルメ「ソースかつ丼」がきました!
これは以前も食べた事はあるんですが、味はソースよりも新潟の「タレかつ丼」の方が好きだけど、
この豚肉の食べ応えは期待通り!
この豚肉の食べ応えは期待通り!
この雨で靴やパンツまでビッショリになり、折りたたみ傘まで壊れちゃったのですが、
でホッとした時間を過ごす事ができましたよ。
でホッとした時間を過ごす事ができましたよ。

1時間ほどして再び雨の中「塔のへつり駅」まで戻って、この日泊まる宿まで向かいます。
乗った電車は野口英世親子が描かれた「新1000yen札発行記念」の
ラッピング車両ですが、これは普通の会津線です。
ラッピング車両ですが、これは普通の会津線です。
会津鉄道は福島全17市町村などの出資により設立された第三セクター方式の会社。
この「お座トロ展望列車」では色々なイベントが用意され、
一生懸命この鉄道の利用者数を伸ばそうとしている努力、
「おもてなしの心」が見られてとってもいい気持ちになれました♪
一生懸命この鉄道の利用者数を伸ばそうとしている努力、
「おもてなしの心」が見られてとってもいい気持ちになれました♪

また、西若松から会津高原尾瀬口間57.4㎞、21駅の運営を行っていますが、
会津若松からはJR只見線へ全列車乗り入れ、会津田島からは野岩鉄道・東武鉄道との
相互乗り入れで東武浅草駅までの直通運転をしています。
それはボクふるさと、春日部からも直通でつながっているって事。
そう思うととっても懐かしい気分にもなれました。
そう思うととっても懐かしい気分にもなれました。
最後は雨に降られてしまいましたが、会津の豊かな自然と
会津の人たちのあたたかいおもてなしを感じられる
お座トロ展望列車「会津浪漫号」の旅、とってもよかったですよ♪
会津の人たちのあたたかいおもてなしを感じられる
お座トロ展望列車「会津浪漫号」の旅、とってもよかったですよ♪