「東尋坊」から「永平寺」へ | 馬の会長日記

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「馬の会」の会長“のみ”の気まぐれ日記。
競馬はもちろん、前に住んでいた新潟のこと、
今住んでいる埼玉のこと、趣味の旅行に、
アルビレックス新潟、グルメなどなど
その時思ったことを気ままに更新してま~す。

ちょっと遅い夏休みに出かけた「福井&岐阜旅行」。

最初に目指すは福井県「東尋坊」です!


「東尋坊」と言えば「火曜サスペンス劇場」のクライマックスシーンでも有名ですが、
年に30人もの人が身をなげるという、自殺の名所としても名高い場所。

断崖絶壁に激しく打ち砕かれる日本海の波しぶきが恐ろしく、
まさに、怒涛の現世の地獄絵図が見られることでしょう。

ついに到着!

気を引き締めていかないと、その漆黒の日本海に引きずりこまれるかもしれません。


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・・・って、絶景ぇぇぃ~♪

澄み渡る空、穏やかにきらめく水面、鋭利に切り開かれた岩の壁は神秘的な雰囲気をかもし出しています。

なんて、美しいんでしょう♪

頭で考えていたイメージとはまったく違い、
この日の「東尋坊」は自然の雄大さを充分に感じることができましたよ。

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実はこの日本海の荒波に削られた断崖絶壁が約1kmにわたり続いている「東尋坊」の絶景は、
韓国の金剛山、スカンジナビア半島のノルウェーの西海岸と並んで世界でも3箇所しか見られない、
輝石安山岩の柱状節理、五角形や六角形柱状の集合体で形成された岩壁があるという
地質学的にもたいへん貴重な場所だそうです。

国の天然記念物にも指定されているんですよ。

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この素晴らしい「東尋坊」の全景を見渡すには「東尋坊タワー」というのがあります。
展望台にのぼるには500円いるそうなのですが、
高さ55mとあまり地上と大きく変わらなそうだったのでボクはのぼりませんでした。

新潟の「日本海タワー」を思い出しますねぇ・・・

また、逆に海側から見られる遊覧船(乗船料は1100円)もありましたよ。
きっとこれはスゴイ迫力なんだろうなぁとも思いながら次の目的地もあったので今回はやめておきました。

ちょっと高いですしね。

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そんな素敵な場所が、暗い影のイメージがついたのも元々「東尋坊」という名からもきているそうです。

むか~し、むかし、悪の限りをつくした「東尋坊」という名の悪僧がいたそうな。
その「東尋坊」は美しい姫君に心を奪われたのじゃが、
その恋敵「真柄覚念」とたいへん長い間いがみ合ったそうなんじゃ。

そんな争いの耐えないなか、4月5日の宴会の席でに「真柄覚念」は隙をみて、
なんと、この断崖絶壁から「東尋坊」を突き落としたそうなのじゃ。

そんな儚く、切ない無骨な男の悲恋物語の主人公の名前をとって「東尋坊」と名づけられたそうな。


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こちらで命を絶たれた方がたくさんいらっしゃるとのことで、
まずは亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

しかし、いかなる理由があっても、人様の命も自分の命も絶つことは絶対にしてはいけないとボクは思います。

以前からここには自殺を思いとどまらせるために、
「粗末にするな親に貰った、その命」と書いた看板が設置してあったり、
公衆電話にテレホンカードや10円硬貨を常備して誰かに相談ができるようにして、
自殺を防ぐ努力をしてきているそうです。

また、かつては、飛び降りても簡単に死なないことをアピールするために
実際何度も飛び込んでみせた「ドリャーおじさん」という方もいたそうです。



「ドリャーーーーーーッツ!」

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って、ボクには無理ですが・・・

こんな美しい景色が「自殺の名所」として名高いのはとっても悲しいことですね。

そのイメージを塗り替えようとしてここに「バンジージャンプ」を作って、
観光の話題にしようという話もあったそうなのですが、

ここで亡くなられた方のご遺族に方々から猛反対があったそうです。


生きているって辛いことの連続かもしれませんが、
命を無くしたあとの世界のほうがもっと厳しいかもしれません。

99のツラい日々を生き抜けば、次の瞬間に1の生きてて良かったことに出会えるかもしれませんよ。

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生きていればこんな肉厚の地元産の「焼き烏賊」が食べられることもあるんです。

「東尋坊」までの通りにはたくさんのお土産屋さんが並んでいて、
美味しい浜焼きをその場で焼いてくれますよ。


絶景に心打たれ、美味しい海の幸に舌鼓を打ち、生きているという幸せを身体で感じる。
これこそが景勝地「東尋坊」のあるべき姿なんじゃないでしょうかねぇ。



そんな素晴らしい海の景色を見た後はいよいよ内陸部に入っていきます。

次の目的地は曹洞宗の大本山である「永平寺」です。

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「東尋坊」の美しさに時間を忘れこの時すでに16時。
中に入れるのは17時までなのです。

急げ!急げ!で『大本山永平寺御用達 創業明治21年「団助のごまどうふ」』と、
しつこいほどの看板の林を潜り抜け、到着したのは10分前。


ここが「永平寺」の中に入るときに通る「通用門」です。

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でも、時間になってすぐ出されたら入場料の500円ももったいないので、今回は外観だけにしました。

第一、ボクはあまり日本史に詳しくないので、あまりお気楽な観光気分だけじゃ
ちょっと立ち入ることが出来ない厳粛なムードがあるんですよ。

だって参道にいきなり下の様な注意書きが・・・

1 参拝にふさわしい服装で静かに左側通行を願います。
1 酒に酔った人、他人に迷惑をかける行為をなす者の参拝はお断りします 。
1 喫煙所(吉祥閣ロビー)以外は禁煙です。
1 鐘、太鼓など鳴らし物には触れないでください。
1 カメラを修行僧に向けないでください。ただし建物や風景は差し支えありません。
1 参拝中、建物の外へは出ないでください。 



やっぱり、生半可な気持ちでは鎌倉時代の僧、道元禅師によって開創された
「日本曹洞宗」の禅の世界に踏み入れてはいけない気がしちゃいます。

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全景はこんな感じで広そうですねぇ。

歩くだけでも時間を要しそうなので、やっぱり早目に来た方がいいかもしれませんね。


こちらは「唐門」。

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「勅使門」とも言うらしいのですが、
よくTVなどで見る雪景色のこの場所は、入場料を払わずに見ることができるんですねぇ。

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あまりウロウロすると監視センサーが働き、録音された声で、
『一般の参拝の方はこれより先立ち入り禁止です』と怒られちゃいます。

ビックリしたぁ!


そのトラップに引っかからないように奥に進むと、奥には「寂光苑」があります。

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ここは道元禅師が出家の決意をされた少年期の姿「稚髪像」などがあり、
苑内の鐘楼「寂照の鐘」は参拝者が誰でも自由に2回まで撞いていいということなので、
ボクも鐘を突いてきました。

ちなみに1回目と2回目の撞きのインターバルは充分にあけるようにと注意書きがありましたよ。

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ボクの撞いたた鐘の音が曹洞宗の大本山にいつまでも響き渡る・・・
それだけで、なんだか禅の教えに少し触れられた気がしましたよ。

もし、色々と生きることに迷われて「東尋坊」を目指す方がいらっしゃいましたら、
まずはそんなに離れていない「永平寺」の門をたたいてみてはいかがでしょうか?

自分を改めて見直せるかもしれません。


・・・って、観光のルートから言っても「永平寺」の方にゆっくりと先に行って、
日本海に沈む美しい夕日の時間帯に「東尋坊」に行くのがいいと思うんです。

あ、でも夕日が沈みきって真っ暗な「東尋坊」に行くのはおすすめできませんよ。



・・・つづく。