📕あらすじ📕
一九七五年、台北。内戦で敗れ、台湾 に渡った不死身の祖父は殺された。誰に、どんな理由で? 無軌道に過ごす十七歳の葉秋生は、自らのルーツをたどる旅に出る。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。激動の歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡をダイナミックに描く一大青春小説。選考委員満場一致、「二十年に一度の傑作」(選考委員の北方謙三氏)に言わしめた直木賞受賞作。
📕印象に残った箇所📕
P62『人を殺したときにだけ性欲が軒昂するような獣でないかぎり、こんな状況はだれも望んでいないのだ。だれもがやむにやまれず自分じゃないふりをしている。世界はそうやってわたしたちを手懐ける。だからこそわたしたちは人を愛したり、人を殺したりするのだ。』
P94『どうしようもないことはどうしようもない、わからないものはわからない、解決できない問題は解決できない。それでもじっと我慢をしていれば、その出来事をいずれわたしたちのなかで痛みを抜き取られ、修復不能のままうずもれてゆく。そしてわたしたちを守る翡翠となる。』
P235『「おれたちの心はいつも過去のどこかにひっかかってる。無理にそれを引き剥がそうとしても、ろくなことにはならん」』
P349『人は同時にふたつの人生を生きられないのだから、どんなふうに生きようが後悔はついてまわる。中国に行っても後悔するし、行かなくてもやはり後悔する。どうせ後悔するなら、わたしとしてはさっさと後悔したほうがいい。そうすればそれだけ早く立ち直ることができるし、立ち直りさえすればまたほかのことで後悔する余裕も生まれてくるはずだ。突き詰めれば、それがまえに進むということなんじゃないだろうか。』
📕感想📕
何が正しいのかは見る角度で変わってしまう。葉秋生の生活の中で語られていたことが、後半の展開で別の視点の感情にも読み取れる。
台湾、中国の当時の時代背景を色濃く反映した血なまぐさい空気感の中、葉秋生の青春時代からを痛快に描いている1冊。
