おはようございます　7月になりました

旅から戻って早3か月、備忘録しないと忘れてしまいそう

3月24日に訪問した国立考古学博物館では

細かいことまで驚きの連続でしたので

がんばって書いてみます

前回はほんの触りだけでした。

今回は長くなりそうですが、まずは石器時代と先史、ミケーネ文明以前をまとめました。

ギリシア地中海世界では石器時代と青銅器時代の境界はBC3200とされており、それより前の石器時代は大変長いです。

こちらはギリシア中部テッサリア地方のDIMINIディミニ遺跡です。BC5300からBC4800の新石器時代後期のPhase1で、世界最古にして最大規模なものと思われます。

丘の上に城壁を何重にも巡らせ、中央に広間と建造物があって、アクロポリスと呼べるもの。日本ののどかな縄文遺跡とは様相が異なります。

今から7000年前のものですから、エジプトの古王朝ピラミッド時代を更に2000年遡るものです。

ディミニ遺跡から出土した陶器、美しい多色の装飾、文様で彩られた大きな壺です。

取っ手がついた円錐形がとっても綺麗だわ、

説明を張っておきます↓

大理石の女性人形です。ペロポネソス地方スパルタから出土した新石器時代の、大変保存状態が良いものです。

まだ青銅器が生まれる前でしょうが、美術品と呼ぶにふさわしい工芸がなされていたのですね。

近代の印象派美術に大きなインスピレーションを与えたことでしょう。

新石器時代末期の黄金の装飾品です。

彫金のペンダントヘッドだそうです。

青銅器時代になりました。大理石の人形の細工が更に精緻になりました。

出土地域はパロス島などのキクラデス文明初期、その第１期ということでBC3200～BC2800、キクラデスで最も古いものになります。エジプトピラミッド時代より古いものですが、地中海世界ではすでに青銅器時代に入っていた模様です。

ギリシア地中海は世界的に最も早く青銅器時代になった地域です。おかげで技術が進歩したのでしょう。ちなみに日本では青銅器時代がなくて鉄器と同時に、弥生時代約BC300年以降に入ってきたものです。

この時代のギリシア文明は3地域（キクラデス、ミノア、ヘラス）がそれぞれ前期、中期、後期にわけられ、更に分３Phaseに細分されます。

キクラデス文明初期の第１期BC3200～BC2800

美しい貴石のネックレスです。

同時代の貝殻で出来たネックレスです。

有名な演奏家の人形、パロス島から出土した大理石はキクラデス文明初期の2期のもの、

BC2800～BC2300年ですから、エジプトのピラミッド時代です。

こんなに精緻なものを作るとは、なんとも優雅な文明だったことが覗えます。

エーゲ海北部のレムノス島ポリオチニから出土した黄金の宝飾品は青銅器時代初期のBC2500年頃のもの、

エジプトはピラミッド時代、トロイ文明では創世記に相当し、すぐ近くですから関連がイメージされます。

ちなみにトロイからはシェリーマンによる黄金の出土品が多数ありますが、年代はトロイ戦争より200年以上古いもの、こちらは別記事でふれることにします。

メロス島から出土したキクラデス文明中期BC2000からBC1650の作品で、隣のミノア文明の影響がみられます。

大変優雅な美しいクロッカスや花柄の壺や水差しですね。↓に説明を張りました

ギリシア本土の遺跡と時代年代の説明です。

アテネの国立考古学博物館では、クレタに敬意をあらわしてか、ミノア文明の展示はありません。現地で見学してくださいということかしら、策にはまって訪問しましたわ。

またサントリーニ島のアクロティリ遺跡についても特設展で概要が展示されているのみで、詳しくは現地で御覧くださいということでしょう。整った博物館もありますから、同じくサントリーニ詣しまして、着飾った美女の壁画に対面しました。

今回はここまでにします。ホント豊かな先史時代でしたね。(黄金のミケーネ文明に続きます)

エフハリスト