ハーバードの世界を動かす授業 リチャード・ヴィートー
**国が発展するための8つの軌道
1)アジアの高度成長
中国、台湾、香港、韓国、シンガポール、マレーシア、インド:世界人口の2/3
製造業の輸出が牽引(インド:サービス業の比重が高まっている)
一般的な発展:農業→製造業→サービス業
2)ラテンアメリカの債務危機からの回復
ほとんどの国々が借金を返済することが出来ず1980年代に債務危機に陥る
自国の経済を保護する政策を捨て、開放経済への移行を余儀なくされる
未だに70年代の債務過多から完全に回復できない状況にある
どの国にも植民地時代の名残があり、悪い意味でスペイン、ポルトガルの法制度が残っている
ブラジル、メキシコには潤沢な資源があり経済発展を遅らせる要因となっている
3)アフリカのルネッサンス(復興)
南アのアパルトヘイトの終わりが大きな転換点
南ア一カ国がアフリカ全体のGDPの22~23%を占める
4)イスラム諸国の台頭
イスラム人口:約16億人
中心国:サウジアラビア、クウェート、イラン、イラク、アラブ首長国連邦:大きな石油資源
潤沢な石油資源+イスラム教→ユニークな発展戦略
5)ソ連の崩壊、およびロシアと東欧のポストソビエトの再構築
ソ連・東欧の共産主義および社会主義体制は完全に崩壊。より民主的な政府とより資本主義的な経済へ
6)欧州の経済統合
商品とサービスの動きに対する内部障壁を撤廃→1999年通貨を統合
16カ国/27カ国:通貨同盟 : 3億2500万人
課題:異なる言語と文化をもつ国々から成るEUがどのようにアイデンティティを形成していくか
7)日本と米国における財政赤字と巨大債務
両国どちらが破綻すれば世界経済全体が破局を迎える
8)地球規模の環境の軌道
大きな問題の一つ:二酸化炭素排出
<アジアの高度成長>
*日本ミラクル
戦後日本に残されたカード:同一民族構成:他国の様に(例えばインド)宗教や人
種や文化や言語の異質性の問題に多くを取られずに済んだ
優秀な初等、中等教育、工学技術
米国市場をターゲット:限界費用価格戦略で市場占有率獲得
為替が有利 1$=360円に固定(1949年)
安価な日本製品が米国市場へ流入
高付加価値分野へ生産を集中
垂直に統合された企業系列:スケール(規模)とスコープ(範囲)
技術を開発するか買う→米国よりライセンス供与(当時はTOYOTAがGMの
ライバルになろうとは想像がつかなかった)
*シンガポール
日本を見習った発展モデルを使用 1960年の$427(1人当たりGDP)
リー・クアン・ユー
1950年代:貨物の集散拠点になること
→輸入代替戦略(発展途上国の典型的な戦略) :
関税を上げ国内産業を保護、事業を国内に誘致する
しかし国土が小さすぎてうまくいかず、マラヤ連邦と合併、マレーシア連邦へ
しかし、イスラム「ブミプトラ」との様々な問題で合意できず、1965年に
シンガポールを分離、独立国家へ戻す
リー・クアンユーの戦略
1.欧米人(特に米国)に投資と組み立て工場建設
2.自国の通貨を変動相場制へ
3.自由貿易→輸入関税の撤廃
4.労働政策
5.貯蓄の奨励 :強制的な集金→中央積立基金:労働者:給与の20~25%
雇い主:20~25%
→これらの貯蓄をインフラ、港湾、石油精製、ジュロン技術地区
・様々な民族からなる国民を一緒の学校に入れる
・急成長を遂げる為に高付加価値製品へシフト
・厳しい法律
・財政と金融政策
・政治:官僚、首相、閣僚に企業重役の3~4倍の給料を払い金銭的汚職を撲殺
→42年間GDP年に9.7%成長、実質一人当たりGDP$472→$44,000へ
*中国
*インド
<挟まって身動きがとれない国々>
*メキシコ
*南アフリカ
<資源に依存する国々>
*サウジアラビア/イスラム
*ロシア
<欧州連合という試み>
<巨大債務に悩む富裕国>
*日本
*米国
<国の競争力とは?>
<私たちのミッション>
