初めてのウルトラマラソン
高野山龍神温泉ウルトラマラソン100km
行ってきた。
結果的に完走したので完走記なるものを書くことに。
まずは走歴。
約4年。
この大会に出るまでにハーフを数回、フルを11回。月間100〜150km程度。
練習でも大会でもフル以上の距離を走ったことがなかった
前日の23時半、家を出る。
大阪からバスに乗って3時頃に高野山到着。
まだ暗い(当然ながら、、)
天気は雨予報だが、まだ降っていない。
スタートは5時半、それまで2時間以上ある。
更衣室は猛者たちで重々しい空気
このコースは日本でも屈指の難コース。
もう何度もウルトラマラソンを経験した人ばかりなのだろう。たぶん初でここは選ばない笑笑
おにぎりを食べたり、ワセリンを塗ったり、黙々と準備を進める。まだこれから100km走るという実感がなく、それほど緊張感もない。
スタート50分ほど前に荷物(ゴールと途中でのエイド用をひとつずつ)預け、軽くストレッチ等をする。普段はあまりしない。この日もほんとに足を少し延ばした程度。
ようやくソワソワしてくる

ちなみに装備は
Tシャツ(半そで)、短パン、キャップ、着圧ロングソックス、アームスリーブ、スニーカー(asics製ターサージール6)、サングラス、ウエストポーチ(メダリストのジェル2つとアミノダイレクト4つ、塩タブレット5ケ、スマホ)、EPSONGPS/SF-810
フルの時とほぼ同じ

5時10分より開会式。
町長とか知事の挨拶後、すぐにスタート地点に整列を開始する。
スタート直後が狭いということもあり、約100人ごとのウェーブスタート。
第1ウェーブは目標が7〜8時間台。
4人ほどしかいない。そりゃそうだ
第2ウェーブは9〜10時間台。
私は無謀なことに、いや少しでもロスをしたくないので、このウェーブからスタートすることにする。
5時半。
ついに第1ウェーブスタートの号砲がまだ薄暗く静かな高野山に響き渡る。ついに始まった。。
遅れること1分。
第2ウェーブスタート
勢いよく飛び出す。前半に稼ごうという作戦
しかーーし、すぐに坂、坂、坂、坂


いや、ほぼフラットな道はない。
足取りが重い。
それでも前半はそれなりにペースを落とさず、20kmくらいまでは予定よりもだいぶ貯金をしていた。
ただ、その辺りから、上り坂が増え、足が思うように上がらなくなる。いつもならこんなことはない。この3ヶ月で250kmくらいしか走ってなかったので、練習不足は明らかだが、それにしても早い段階で魔物に喰われる。
22km過ぎ、足が止まる。歩いてしまう。
少し心が折れた

足が止まってから41km地点、護摩山エイドまでは毎回エイドも立ち寄り、走ったり、歩いたりの連続。ここまで約5時間弱。
ここで荷物を預けていたので、補給とクールダウンでしばし休憩をとる。
足にはきていたが、ここからしばらく下り坂ということもあり、気持ちが楽になる。
でも、ここからは未知の領域。
今までにフル以上の距離を走ったことがない。
自分がどこまでいけるか試したくてウルトラマラソンの道を志したのだ。
自分はイケる!そう信じて
少しの補給とかぶり水で気持ちが復活。
一気に下っていく。
途中、龍神温泉から10時スタートの50km組とすれ違う。エールを交わしながら、さらに下る。
10km以上下って、足はもうパンパン。
調子は良かった。
ただ、これを今度は折り返して登るかと思うと、
気が滅入った。
55km折り返し地点に到着。
まだこれからフル以上の距離を走るのか、、
いや、もう半分超えたぞー
後者の方が気持ちが楽になるが、そんなことも言ってられない。
魔の上り坂が待ち受けていた




全く走れない。
歩くのもしんどい。
立ち止まることも出来ない。
ちょっと走っては歩くの繰り返し。
そんな中、60km手前、まさかまさかの、
GPSウォッチ(SF-810)の電源が切れる。
この時点で7時間。
5kmごとの表示はあるものの、これにより、途中何キロ走ってるかわからなくなり、ペースもわからなくなった。
68km地点のエイドまでが恐ろしく長く感じたのである。
ここに着くまでに、リタイアを考えるくらい、今までのラン歴の中で最も辛かった。
僅か10kmほどを2時間近くかかっていた。
足は限界にきていた。
リタイアしようと思っていた。
「もう無理かもしれない」
LINEで嫁にメール。
「むりしないように」と嫁。
その後、娘たちからビデオメッセージで
「パパ頑張って」
涙がこぼれた。
とりあえずエイドで休憩をとってみて、
いけそうならリタイアせずに完走しようと決意した。あと30kmちょっと。
長めに休憩したので足が少し復活していた。
ここからは下りの方が多いので、イケる気がした。
しばらくは下り。80km手前までは割と調子が良かった。ただお腹がグルグルしていた。
残り20kmほど。ここからがほんとの戦い。
いつもなら20kmくらいならそんなにしんどくないが、80kmからの20kmは果てしなく長い。
1km、いや100m進むだけでも辛くなっていた。
しかも油断していたが、関門の時間が近づいていた。
86.3km地点。17時15分関門に対し、17時08分に到着。危うし
次の関門は10km先、18時45分。
1時間半あるからいけるかと、、
あと10kmになってからゴールが遠い。
また足が動かなくなってきた。
『ここまできて関門切りはイヤだ』
その気持ちだけで前に進む。ただひたすら。
18時35分、最後の関門、96.3kmに到着。
間に合ったー


余裕やと思ってたけど、10分前、ギリギリ。
あとは3.7km。19時半の制限時間まで全部歩いてでも間に合いそう。
ものすごく気持ちが楽になった。
力が湧いてきた。
あとはひたすらゴールに向かって進むだけ。
あと3km、2kmと表示を見るたび、自然と足が動いて走っていた。
ラスト1km。
ここまで走ってきたことを思い出しながら、腕をしっかり振り、最後の力を振り絞った。
そしてゴール

笑顔で。
長かった。
ほんとに長かった。
途中何度も諦めかけた。
それでも自分の限界はまだまだだと歩を進めた。
「走って何が楽しいの?」
よく言われる。
走ってる時ってしんどいことも多い。
「何でこんなことやってるんやろ、、」
いつも思う。
でも、いつの間にかまた走り出してる。
何で走るのかはわからない。
ただ走るのが好き。
ただそれだけ。
タイムは13時間34分12秒。
完走した226人中206位。
完走率約48パーセント
完走出来た達成感は計り知れない。
でも、それ以上に不甲斐ない結果に対し、
悔しい気持ちの方が大きい。
今の時点ではこのコース走りたくない。
でもまたいつか機会があれば挑戦したい。
足が動くかぎり、さらなる上を目指して
私は走り続けたい。
