太りすぎの2大要因は、
「過食」と「運動不足」というのは
説明するまでもありませんが、
“睡眠不足”も肥満の原因となります。
そのカギを握るのが、脂肪細胞が分泌する
レプチンというホルモンです。
レプチンは体脂肪の蓄積具合を
脳に伝える役割があり、レプチンが増えると
脳は食欲を抑えて安静時のエネルギー代謝量
(基礎代謝量)をアップし、エネルギー収支を
マイナスに傾けて体脂肪を減らします。
しかし、睡眠不足だと、このレプチンの分泌量が減り、
食欲がセーブできず、基礎代謝量も底上げできなくなります。
例えば、4時間睡眠と10時間睡眠を比べると、
4時間睡眠では、レプチンの血中濃度が約18%も
低下するのです。
さらに、空腹時に胃から分泌される食欲亢進ホルモン、
グレリンの分泌は睡眠不足の場合に増えます。
同じく4時間睡眠と10時間睡眠を比べると、4時間睡眠だと
グレリンの血中濃度が約28%も多くなるのです。
ゆえに、睡眠不足だとお腹が空いて太りやすいと言えます。
特に、夜遅くに食べると太りやすいのですが、
その背景にも体内時計が存在しています。
脳だけでなく、全身の細胞は時計遺伝子という体内時計を持ち、
24時間周期で増減するタンパク質で時を刻みます。
その時計遺伝子が作るBMAL1(ビーマルワン)という物質は
体脂肪を合成する酵素を活性化し、体脂肪を分解する酵素
の働きを抑えます。
BMAL1の活性は日中抑制されており、夕方から分泌が増えて
休息に備えて体脂肪を蓄えようとします。
BMAL1が多いと体脂肪が溜まりやすいですが、
その活性は午後10時~午前2時がピークです。
したがって夜摂ったエネルギーは体脂肪になりやすいので
注意が必要です。
夕食は6時から7時に食べ終わるのがベストです。
また、睡眠不足が生活習慣病に結びつく場合もあります。
要注意なのは、日本では予備軍も含めて2210万人の患者がいる
糖尿病です。
その95%以上は、膵臓から分泌されて血糖値を下げるインスリン
というホルモンの分泌が悪くなったり、効き目が落ちたりして
血糖値が高い状態が続く2型糖尿病です。
健康な人の睡眠時間を6日間、4時間に制限しただけで
インスリンの分泌量が下がり、高血糖に陥るという報告があります。
無駄な内臓脂肪を減らし、快眠を心がけたいです。
稲葉敦志