寄席とは、日本の都市に於いて講談・落語・浪曲・萬歳(漫才)・過去に於いての義太夫(特に、女義太夫)等の技芸(演芸)を観客に見せる興行小屋である。

始まりは18世紀の中頃で、演目は浄瑠璃・小唄・講談・手妻(手品)などで、寛政年間(18世紀後半)以後、落語が主流となった。場所が常設小屋になったのは文化年間(19世紀初頭)頃からで、天保の改革で数が制限されたが、安政年間(19世紀後半)には約400軒と急増した。

大喜利は、演芸の形式。
寄席の余興として考案され、後に放送メディアを通じて独自に発展し、バラエティ番組・インターネット上の企画や、多数の観客を招いての大きなイベントとしても行われる。

寄席に於いて『トリ(最後を飾る出演者)』が居ない場合、それに代わる最後の演目として観客へのいわばアンコールに相当するサービスとして行われていたもの。
余興として、その日の寄席の複数の出演者が再び登場し、観客からテーマをもらって互いに芸を競い合った。

歌舞伎の『大切(一日の興行の最終幕最後の場面)』にちなんだ名であり、【喜利】は客も喜び、演者も利を得るという意味の当て字である。このように【大喜利】は寄席のプログラムを指す言葉であったが、そのうち出し物そのものを表す語となっていく。

テレビ番組『笑点』のコーナーを通してこの語が世間に広く知られた為、近年のテレビ番組やインターネット上などで行われるモノは、司会者の出題に対して、ひねりを効かせて答える、といった言葉遊びゲームの集合そのものを指すことが多いが、本来この形式のものは、様々な大喜利のうち『頓智(とんち)』と呼ばれるものである。

元来の大喜利ではこの他に、歌や踊りの披露・三題噺・にわか(即興の芝居。数人の芸人が幽霊に扮して登場する道具入りの怪談噺等)・芸人による相撲・裁判の真似事等、趣向を凝らした様々なものが行われている。