ヨーロッパから導入された食用栽培種である担子菌門ハラタケ科のシャンピニオンのみを指している。
和名は「ツクリタケ」。
日本国内での生産初期の商品名に由来する「セイヨウマツタケ」という名称もよく用いられる。

世界で最も多く食されるキノコと推測されている。

ハラタケを栽培下で選抜することによって成立したと考えられる。ヨーロッパで古代ギリシャ・ローマの時代から馬厩肥等に自然発生していたものを利用していたものが、17世紀頃にフランス等で人工栽培が行われるようになったと言われている。収穫期である直径2 - 4センチメートル程度の幼菌の時は、野生のハラタケよりも分厚い肉質の半球形の傘を持つ。
品種は、ホワイト種とブラウン種があり、表面は白色や褐色等を呈するが、傷つくと赤褐色の変色が生じる。成熟すると傘は平らに開き、大きなものでは20センチメートルにも達する。この時、柄の長さも15センチメートルに達する。襞は幼菌の時は薄膜で覆われており、日本ではこの膜が破れる前の、欧米では破れた直後程度の熟度で収穫する。成熟し、胞子をつけた襞は、淡紅色から紫褐色を呈する。

マッシュルームは、ホワイト種・オフホワイト種・クリーム種・ブラウン種の4つの品種群に大別される。また厳密には別種ではあるが、ヨーロッパで主に栽培される A. bitorquis (Quèlet) Saccardo も同様に扱われる為、ここで解説する。

 〜ホワイト種〜
なめらかで純白の外観が美しい為、生鮮流通品として好まれる。また、低温でも子実体が発生するという栽培上の利点もある。
このため世界で最も多く栽培されている品種群であるが、柄が徒長しやすいことと汚れや傷による変色が目立ちやすい点が欠点となる。

 〜オフホワイト種〜
色がやや灰色がかった白色である他は、ホワイト種に性質が近い品種群。
ホワイト種と同様、生鮮流通品として好まれる。

 〜クリーム種〜
淡褐色で中型の子実体を生じる。
栽培環境の湿度が低いと、表面が鱗状になったり甚だしい場合はひび割れが出来る。加工用として好まれる。

 〜ブラウン種〜
褐色で大型の子実体を生じ、収穫量も多い。
味は濃く香気にも富んでいる。
肉質が緻密で加工による収縮が少ないので、加工用として好まれるが、保存性に富み、汚れや傷による変色も目立たないので、生鮮流通品としても好まれている。

 〜Agaricus bitorquis〜
傘の中央部はややくぼみ、形は歪みがちである。A. bisporus より5°C高い温度で子実体を生じる。
ウイルス病に対して抵抗性があり、夏季及び亜熱帯地方での栽培に適するが、栽培環境が高温多湿となり作業が重労働になる点が嫌われる。
ヨーロッパでは栽培されるが、アメリカではあまり栽培されない。