有羊膜類の指の先端の背面にある、表皮の角質が変化・硬化して出来た皮膚の付属器官。

体毛や歯と同じく、鱗から派生した相同器官である。哺乳類では種によって特化している。ここでは、主に人間の爪について説明する。
他の動物の爪については扁爪・鉤爪・蹄を参照のこと。

表皮から変化して出来た点に於いては、爪と毛を総じて「角質器」とも呼ぶ。爪が指先を保護するおかげで、手足の動作に於いて指先に力を加えたりうまく歩いたり出来る等、爪は動物にとって重要な役割を果たしている。爪の下部には毛細血管が集中しており、爪は血液の健康状態に影響されやすい。

健康な爪は薄いピンク色をしており、表面も滑らかである。しかし、身体が貧血の時には爪下の色は赤みが減少し、爪は血色が悪くなり青白く見える。体調が悪い時など、この爪の色がピンク色で、額などで計る体温が暖かければとりあえず大事ではない等のように、緊急度の評価法の一助ともなる。また、爪を押して白くなったところが再循環によりピンク色に戻ることを確認出来れば、心臓は通常どおり循環をつかさどっていることが分かる。したがって、病院での受診時や手術の前にネイルアートなどをするのは望ましくない。慢性の腎臓病では爪は白くなる。

また、爪の硬さは均等ではない。爪床に接している部分が一番硬く、先端へ伸びるほど割れやすくなる。一旦根元から伸びた爪は、損傷を受ければ二度と回復しない。しかし、爪母基が残っていれば再生はする。

爪の健康を保つには、表面・裏面共に油性のクリーム等を塗り込む程度の手入れでも、保護には充分効果があるとされる。