富士宮市・富士市・裾野市・御殿場市・駿東郡小山町(静岡県)と富士吉田市・南都留郡鳴沢村(山梨県)に跨る活火山である。
標高3776.12m、日本最高峰(剣ヶ峰)の独立峰で、その優美な風貌は日本国外でも日本の象徴として広く知られている。

数多くの芸術作品の題材とされ芸術面のみならず、気候や地層など地質学的にも社会に大きな影響を与えている。懸垂曲線の山容を有した玄武岩質成層火山で構成され、その山体は駿河湾の海岸まで及ぶ。

古来霊峰とされ、特に山頂部は浅間大神が鎮座するとされた為、神聖視された。噴火を沈静化するため律令国家により浅間神社が祭祀され、浅間信仰が確立された。
また、富士山修験道の開祖とされる富士上人により修験道の霊場としても認識されるようになり、登拝が行われるようになった。
これら富士信仰は時代により多様化し、村山修験や富士講といった一派を形成するに至る。現在、山麓周辺には観光名所が多くある他、夏季シーズンには登山が盛んである。

日本三名山(三霊山)、日本百名山、日本の地質百選に選定されている。また、1936年(昭和11年)には富士箱根伊豆国立公園に指定されている。
その後、1952年(昭和27年)に特別名勝、2011年(平成23年)に史跡、さらに2013年(平成25年)6月22日には関連する文化財群と共に「富士山 - 信仰の対象と芸術の源泉」の名で世界文化遺産に登録された。