地球の大気圏の最下層を構成している気体で、人類が暮らしている中で身の回りにあるものをいう。

一般的に空気は無色透明で、複数の気体の混合物からなり、その組成は約8割が窒素、約2割が酸素でほぼ一定である。また水蒸気が含まれるがその濃度は場所により大きく異なる。工学など空気を利用・研究する分野では、水蒸気を除いた乾燥空気と水蒸気を含めた湿潤空気を使い分ける。

地球を覆う気体の層を「大気圏」と言い、その気体そのものを日常会話や工業分野等では「空気」、気象学など地球科学の分野では「大気」とも呼ぶ。日常会話で普通「空気」と言う場合には、人間が暮らしている中で身の回りに存在する地上のモノを指し、場合によっては飛行機が航行する高度のような上空のモノを指す。一方、地球科学に於いては同じものを「大気」と言う。なお、日本語に於ける「空気」には、その場にいる人々の気分や場の雰囲気という意味もある。

我々は空気に依存し、空気の中で生活しているが、日常生活の中でそれを意識することはあまりない。同様に生活に欠かせない水がその手応えや感触から、普段からはっきり意識されるのとは好対照である。

ただし空気は、それに流れがある時には意識される傾向があり、「風」と呼ばれるようになる。

また、その成分については、閉め切った部屋、(洞窟の中など)換気が不十分な場所など(現在の観念で言えば、酸素が不十分だったり、余計なガスが混じった状態)では意識されていて、古くから「腐った空気」や「空気が腐る」といった表現がされてきた。また、香りや臭いが漂ったり、化学物質により刺激を感じるような場合も意識されるようになる。