【ふかひれ】と読む。

鱶(大型のサメ)の鰭(主に、尾びれや背びれ部分)を乾燥させた中華料理の食材。
中国語では「魚翅」と言う。

生のフカヒレを茹でるか鉄板で加熱してから、表面の鮫肌をブラシでこすり取り除く。油脂分を落とし天日干しにして、乾燥品が完成する。皮付きのまま乾燥にした加工品もある。

中国で食べられ出したのは明の時代と言われている。潮州料理など、中華料理の高級食材として利用される。
ほぐれた状態のフカヒレをスープや点心の具として使う他、ヒレの形のまま煮込む料理などがある。
ジンベエザメ、ウバザメの鰭が最も高級とされ、アオザメ、イタチザメ等のものも高級である。
一般的には、ヨシキリザメの鰭が使用されることが多い。

日本は世界有数の生産国であり、江戸時代にはナマコ、アワビと共に中国(明・清)へ輸出されていたが、近年ではシンガポールやインドネシアの生産量の方が上回っている。日本では気仙沼の水揚げが最も多いが、この多くはマグロ延縄漁業の際に釣れたサメから摂られたものである。日本の気仙沼産が有名でかつ高級品として扱われるのは、加工技術が優れている為と言われる。世界有数の生産国ではあるが、最近では日本の漁船に従事する人にはフィリピン人やインドネシア人などが多くなり、彼らの国にも日本漁船が寄航する機会が増えた。この時に漁に従事したフィリピン人やインドネシア人がフカヒレを持って下船する例が増えた為に、日本国内へ持ち帰られる量は以前よりかなり減ったと言われている。

フカヒレ漁ではシャークフィニングと呼ばれる漁法が動物愛護の観点から広く問題視されている。これは、サメからヒレだけを切り取り、その後サメを再び海に戻すという方法で、しばしば生きたままで戻され、泳ぐことが出来ない為、そのまま死んでしまう。また、国際取引の為に捕獲されるサメ種の70%以上が絶滅の危機にある。