疾病の根治ではなく、延命を目的とした治療のことである。

対症療法の一つ。医学用語ではない。
保険請求項目でもない。1970年代以降に発生した報道用語の可能性が高いと考えられる。
毎日新聞と朝日新聞では、延命治療という用語の初出が確認出来たのはいずれも1986年。
雑誌記事では、1978年に確認出来ている。

生命予後不良で根治が見込めない患者に対し、人工呼吸や輸血、輸液等によって延命を図ることを目的とする。医療技術の発達により、意思疎通が不可能な状態で生命だけを維持することが可能になったが、クオリティ・オブ・ライフや尊厳死の観点からそういった治療を見直す議論が起こっている。

延命治療を行った場合、患者はその間余計に苦しむこととなる。また、患者本人に意識がない状態でもただ延命されている状況を見て、家族や友人が苦痛を感じることもある。当然ながら、延命治療であっても医療費は必要である為、延命すればするほど医療費が嵩んでくるという問題もある。

また、人工透析に於いては、重度の合併症が理由での中止による死亡に於いて、医師独断でやっていた事例も見られた為、本人の意思確認を重視する様に、日本透析医学会は声明している。

患者本人が延命を希望しなかった場合、それを文書として示すことで医療機関に対し延命治療の中止を要求することが出来る。この文書はリビング・ウィルと呼ばれ、尊厳死の問題とあわせて論じられることも多い。