柚子を浮かべた風呂である。

日本では、江戸時代に冬至の日、銭湯に柚子を輪切りにして入れて沸かす柚子湯があった。ひび・あかぎれ・感冒などの予防の為という。京阪には柚子湯がなかった。
江戸の町は、急激な町づくりが進み埃っぽい状態だった為、毎日風呂に入ることが、江戸の人々の楽しみであった。古来催し湯というのがある。新年の丁子湯、暑中の桃の湯などそれぞれ悪疫、災厄を祓う縁起の湯として、端午の節句の菖蒲湯、冬至の柚子湯がある。諺(ことわざ)にも『冬至に柚子湯に入ると風邪を引かぬ』と言われている。
冬至の日に於いて、柚子湯を用意する銭湯もある。

作り方としては、柚子の果実を5 - 6個輪切りにして、湯に浮かべる。皮膚が弱い人は、輪切りにした柚子の果実を熱湯で20 - 30分蒸らし、その後、布袋に入れて湯に浮かべると良い。

【柚子湯】は冬の季語でもある。(柚子は、秋の季語)

冬至と柚子との関連は必ずしも明らかではないが、柚子湯の習慣は銭湯の登場以後のことであり、一説に湯治と冬至との語呂合わせで、身体息災であれば融通が利くとのこじつけであるという。または黄色い柚子を太陽に見立てお湯を海に見立てて、日の入りと日の出に仕立てた遊びとも。