粘土を釉薬をかけないまま、比較的、低い温度で軽く焼き固める(焼成する)方法、及びそうして出来た焼き物の壺。
釉(うわぐすり)を施さずに焼いた陶器。

最終的には、釉薬を施した陶磁器を作る場合に、『本焼き』に入る前の段階として、成形した粘土を、一旦釉薬をかけずに焼き固めることや、そうして出来た壺。

日本語の『素焼き』と欧米の『テラコッタ』は、ほとんどの場合、まったく同種のものを指している。

焼く間に、粘土に含まれる鉄分が酸素と反応する(酸化鉄が出来る)ので、赤みがかった色になることが一般的であるが、(粘土の質や様々な条件により)黄色・オレンジ色・赤っぽい色・テラコッタ色・茶色・やや灰色がかった色など、様々な色が有り得る。
素焼きの壺は、高温で焼かれた焼き物に比べると、概して軟質であり壊れやすい。

古代から世界各地で作られてきた。 
メソポタミア、古代ギリシャ、エトルリアに於いても同様。
古代ギリシャのタナグラ人形、中国の俑 、日本の土偶や埴輪は素焼き(テラコッタ)の例である。
日本古代の縄文土器や弥生土器もまた、素焼きの一種である。

(ヨーロッパでは)15世紀に復興し、現在も盛んに作られている。