カルビという名前からつい焼肉を連想する人もいるでしょうが、チーズタッカルビは『タッカルビ』という韓国の名物料理に、とろとろのチーズをトッピングしてアレンジした新しい料理です。

『韓国風チーズフォンデュ』とも呼ばれています。

では、そもそもタッカルビとはどんな料理かと言うと、鶏肉のぶつ切りと野菜(キャベツ・玉ねぎ・人参など)を、コチュジャンをベースにした甘辛いタレで炒めたものです。

韓国語で『タッ』は鶏、『カルビ』は肋骨周りの肉という意味です。

タッカルビは、冬季五輪の開催地・平昌がある江原道の道庁所在地・春川(チュンチョン)の名物料理で、1960年代に誕生しました。

そして春川と言えば、一世を風靡したドラマ『冬のソナタ』のロケ地の一つで、主人公の二人が大晦日に待ち合わせをした商店街は、春川明洞タッカルビ通り(通称)と呼ばれています。

ドラマをきっかけにタッカルビにハマったファンも多く、1990年代以降ソウルを中心に韓国各地でタッカルビ専門店が林立しています。

チーズタッカルビは、東京・新大久保のコリアンタウンにある『市場タッカルビ』という店が、約2,500人にモニタリングを行った末に開発したオリジナル料理です。

つまり純・韓国料理ではなく、日本の新大久保が発祥の地なのです。

2016年2月に発売を開始したところ、とろとろチーズとピリ辛のタレが織り成す味のハーモニーに加え、チーズの両脇をタッカルビで挟む色鮮やかな盛り付けも相乗効果を発揮し、写真を撮ってインスタに載せる若い女性が急増しました。

瞬く間に人気に火が着き、多くのメディアに取り上げられるようになりました。
今では、新大久保中の飲食店がこぞってメニューに取り入れ、味を競い合っています。

そして、チーズタッカルビの人気が起爆剤となり、一時下火だったコリアンタウンの客足まで回復し、街全体の活性化にも繋がっています。