とある年の甲子園決勝、✬✬✬v.s.✫✫✫✫
9回裏・二死フルベース(互いに譲らず同点)
2ストライク3ボールのフルカウント。
振り絞って投げた渾身の変化球が無情にも打者の真芯を捉える。乾いた金属音と共に、白球は弧を描いてスタンドへ一直線。

しかし、悪戯にも強烈な浜風が阻止。
その結果、ホームランと思しき打球は一転してファールとなり幻に変わってしまう。
次に投じられた直球は瞬く間に捕手のミットに吸い込まれていた。

何事も無かったかのように延長戦へと突入。
白熱した試合は、冷めることのない歓声と熱気を帯びてさらなる興奮の渦へ変わってゆく。