古くから日本に伝わる童謡(わらべうた)。
遊び歌として知られ、その遊戯をもいう。
『お茶壺道中』についての唄だと言われている他、不純異性交遊を表す戯歌とする説もある。

この歌詞の意味は、江戸幕府のお茶壺道中と結びつけて解釈するのが伝統的な見解である。
例えば、『胡麻味噌を摩っていると、お茶壺道中が来ると言うので、家の中に入って戸をピシャリと閉めて(トッピンシャン)やり過ごす。そしてお茶壺道中が通り過ぎるとやっと一息つけたのである(ぬけたらドンドコショ)。この騒ぎに、俵から米を取り出し、食べていた鼠が驚いてチュウと鳴いた、喉がかわいた子供達が井戸に集り、争って水を飲んだのでお茶碗を割ってしまった。』などと解釈する。
他方、歌詞自体はナンセンス、支離滅裂であるなどとして、意味不明のところに意味を認めようとする説もあり、これも一つの通説として認識されている。

この童謡をお茶壷道中と結びつけるのは、『茶壷』という部分のみであるが、古いバージョンの歌詞には、これを『烏坊』として伝えるものがある。
また、お茶壷道中は、江戸時代前期に制度化されたが、この童謡は、江戸時代の文献には記録されていない。
お茶壷道中を離れた解釈としては、これに性的な意味を見出す視点があり、西沢爽の詳細な論証がある。
しかし、『半信半疑か、触れられることが好まれないからか、一般には普及していない。』(若井勲夫)とされる。
この視点からは、『茶壷』が、女性器(つび)を意味する近世の隠語として用いられていること、その元の形である『烏坊』も、遊女を意味する隠語であることなどが指摘されている。