不純物ばかりの汚濁に押し流されて、解釈不能な場所へ辿り着いた。


経緯すら定かじゃない…

方位磁石もどこを指しているのか…



唯一頼りになるのは、勘。

とはいえ、陽はとっくに沈んでいて
辺りはそこらじゅう真っ暗。


リュックサックに詰めた荷物も
浚われて何ひとつ残っていやしない。



だが、私はこの時まだ知らなかった。我が身に忍び寄る災難を・・・



ひとまず夜を明かし、それから動こうとも考えたが
採取用の簡易装備を身に纏ってるだけの私。
要するに、布一枚に等しい程の軽装。

全身に配した羽根飾りも役に立ちそうにない。

武器といえば、これまた平凡なナイフ。


一般的に狩猟で使用する道具等は、全て自室に置いてきた。



まさに今、完全自給自足の生活が始まろうとしている。





       ~つづく~