わんわん吠えている。
とてもうるさい。
何故吠えているのか少し考えてみた。
周りに誰かいるのだろうか。
腹を空かしているのだろうか。
何者かに対しての威嚇だろうか。
とりあえず三つほど理由を考えてみたが、途中で意味のないことに気付いた。
いくら吠えようと私には関係のないことだ。
いや、まったく関係ないと言ったら嘘になる。
なぜなら、うるさい。
本当にただそれだけ、うるさい。
特に私の行動を妨げるようなことではない。
しかし、うるさい、とにかくそう感じられる。
まあそのうち吠え止むだろう。
うるさいと言えば、私にとっては常日頃から感じているものである。
平日の朝、会社へ行くために駅へ向かう。
いつも歩いて行くのだが、その道のり、非常にうるさい。
そして駅へ着いて電車に乗る。
その時は駅へ向かう道のりよりもうるさいと感じられる。
会社についた。
ここから数時間この場所で仕事を行う。
この時間が一日で一番苦痛だ。
この時間が一日で一番うるさくなるのだ。
この苦痛を乗り越えた後、家路につくのだが、
正直その時の記憶は無いに等しい。
会社にいるときがうるさすぎて気がおかしくなっているのだ。
帰宅する頃になると疲れ果てて自分でもよくわからない状態になっている。
家路もきっとうるさいと思うのだが、
何しろ記憶がないのではっきりとはわからない。
しかしその考えは間違っていないだろう。
とすると、私がうるさいと感じない場所は自分の家しかないのである。
自分の家はうるさくない。
苦痛を感じない、楽にできる。
そのはずなのだが。
実は私は今家にいるのだ。
何度も言ったが今うるさいのである。
家にいるのに。
いくら吠えようと私には関係ないと言ったが、
それは先程までの話だ。
さすがにこのような長い時間吠えられると私も憤りを覚えるものだ。
そのうち吠え止むと思っていたが、そんなことはなかった。
さてどうしたものか。
この人間。