本日2月5日の午前6時04分をもって、月が朔=新月となりました。というわけで、旧暦では歳が変わって1月1日=元日を迎えました。
いわゆる旧暦の正月ですから、旧正月を迎えたということですね。中華人民共和国や中華民国をはじめとする中華文化圏では、恭賀新年、ハッピーニューイヤーで盛り上がっていることでしょう。
ところで、旧暦にしたがって暮らしていると、正月よりも先に立春がやって来るケースがあり、『古今和歌集』の冒頭にも収録されています。
巻一:春上
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[詞書]ふるとしに春たちける日よめる
在原元方
としのうちに春はきにけりひととせをこそとやいはむことしとやいはむ
としのうちに-はるはきにけり-ひととせを-こそとやいはむ-ことしとやいはむ
年の内に 春は来にけり ひととせを こぞとや言はむ 今年とや言はむ
今風に直すと、
年の内に立春が着ちゃったんだが 昨日までの一年を
去年と言うべきなのか 今年と言わなきゃならないのか
この歌は、年内立春を題材にして詠まれたものです。
年内立春というのは、読んで字のごとく、正月が来るよりも前、つまり年が明けるよりも先に立春になってしまうことです。
これは何も珍しいことではなく、ここ10年では、
2018年、2016年、2015年、2013年、2010年というように半分に相当する5年が年内立春でした。
では、なぜ年内立春となる年ができてしまうのか?・・・・・・答えは用いられている暦が異なっているからです。昨日の記事で解説したように、立春は二十四節気という自然暦が用いられています。
一方の旧暦は月の満ち欠けを基本的にした太陰太陽暦で、新月(朔)から次の新月(朔)に至る期間・・・・・・1朔月=29.530589日を一か月としています。
ただ、一年が約354日となるため、閏月(うるうづき)という月を足し一年が13カ月の年を作ることで太陽暦との誤差を調整します。これが年内立春となる年ができてしまう原因となっているのですね。
ということで、あとは太陽暦の説明がのこっているのですが、それは改めて投稿します。
お読みいただき、ありがとうございました。