二十四節気(にじゅうしせっき)
二十四節気(にじゅうしせっき)は古代中国で、
紀元前=西暦紀元よりも前の4~5世紀頃から考えられるようになり、
紀元前3~4世紀頃には現在の形に定まっていたようです。
従って、中国北部=華北の黄河流域と日本のでは、
緯度の差によって気候的なズレが生じます。
その影響は、半月ごとの季節の変遷を表す二十四節気よりも、
ひと月を約5日ごとに分けた七十二候(しちじゅうにこう)のほうが、
その名称と一致しない箇所が生じるために、
日本の風土に合う内容に改められました。
なお、七十二候(しちじゅうにこう)については、
別項を設けて掲載する予定です。
それでは、二十四節気の内容について説明します。
文中、十二消息卦(じゅうにしょうそくか)は、1年12カ月二十四節気に易の卦を配したものです。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
《春・春期》
【2月】 寅月 如月(きさらぎ) 初春・孟春
立春(りっしゅん) 旧正月節入 2月4日頃 太陽黄経315°~
- 春の気たつを以て也(暦便覧)
- 陽気地中に萌し東風氷を解く(晴明神社本暦)
雨水(うすい) 旧正月中気 2月19日頃 太陽黄経330°~
- 陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也(暦便覧)
- 陽気地上に昇り雪氷解けて雨水となる
草木春陽に誘われて枝葉萌し動く(晴明神社本暦)
※「雪氷解けて雨水となる」とは、溶けた雪氷が、
雨水と同じようになって大地を潤すという意味。
(寅月消息卦) 三陽三陰
――――――――――――――――――――――――
【3月】 卯月 弥生(やよい) 仲春
啓蟄(けいちつ) 旧2月節入 3月6日頃 太陽黄経345°~
- 陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也(暦便覧)
- 艶陽の気に誘はれて諸虫地上に出るなり(晴明神社本暦)
春分(しゅんぶん) 旧2月中気 3月21日頃 太陽黄経0°~
(=360°~)
- 日天の中を行て昼夜等分の時也(暦便覧)
- 昼夜相当分する春分を以て暦元となし次の春分に至る一年とするものあり(晴明神社本暦)
(卯月消息卦) 四陽二陰
――――――――――――――――――――――――
【4月】 辰月 [卯月(新暦別名)] 季春・晩春
清明(せいめい) 旧3月節入 4月5日頃 太陽黄経15°~
- 万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也(暦便覧)
- 草木の芽発生して何の木何の草と明らかに知り得る
故に清明という(晴明神社本暦)
穀雨(こくう) 旧3月中気 4月20日頃 太陽黄経30°~
- 春雨降りて百穀を生化すれば也(暦便覧)
- 清明の穀雨の時節まで雨多し
春雨振りて百般を生化す依って穀雨と云う(晴明神社本暦)
(辰月消息卦) 五陽一陰
春の土用……次節、立夏に至るまでの約18日間。
――――――――――――――――――――――――
《夏・夏期》
【5月】 巳月 皐月 初夏・孟夏
立夏(りっか) 旧4月節入 5月5日頃 太陽黄経45°~
- 夏の立つがゆへ也(暦便覧)
- 天地盛陽の気となり夏の気立つなり(晴明神社本暦)
小満(しょうまん) 旧4月中気 5月21日頃 太陽黄経60°~
- 万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る(暦便覧)
- 純陽気満ちて万物充満し草木枝葉繁る。大満と云はず小満と云へるは万物充満する初め故なり(晴明神社本暦)
(巳月消息卦) 全陽
――――――――――――――――――――――――
【6月】 午月 水無月 仲夏
芒種(ぼうしゅ) 旧5月節入 6月6日頃 太陽黄経75°~
- 芒(のぎ)ある穀類、稼種する時也(暦便覧)
- ノギある穀類皆稼種する時節なり(晴明神社本暦)
※「芒(のぎ)」とは、稲などの穂先のある穀物。
夏至(げし) 旧5月中気 6月21日頃 太陽黄経90°~
- 陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以て也(暦便覧)
- 純陽極まって一陰地下に生ず(晴明神社本暦)
※晴明神社本暦には「一陽地下に生ず」と記されるが誤表記で、
「一陰地下に生ず」が正しい。八卦で表したものが下図
(午月消息卦) 一陰五陽
――――――――――――――――――――――――
【7月】 未月 文月 季夏・晩夏
小暑(しょうしょ) 旧6月節入 7月7日頃 太陽黄経105°~
- 大暑来れる前なれば也(暦便覧)
- 大暑の前故に小暑を催すなり(晴明神社本暦)
大暑(たいしょ) 旧6月中気 7月23日頃 太陽黄経120°~
- 暑気いたりつまりたるゆえんなれば也(暦便覧)
- 老陽次第に極まって大暑となる(晴明神社本暦)
(未月消息卦) 二陰四陽
夏の土用……次節、立秋に至るまでの約18日間。
――――――――――――――――――――――――
《秋・秋期》
【8月】 申月 葉月 初秋・孟秋
立秋(りっしゅう) 旧7月節入 8月8日頃 太陽黄経135°~
- 初めて秋の気立つがゆへなれば也(暦便覧)
- 秋の気立つなり立秋と云ふ(晴明神社本暦)
処暑(しょしょ) 旧7月中気 8月23日頃 太陽黄経150°~
- 陽気とどまりて、初めて退きやまんとすれば也(暦便覧)
- 老陽日に衰へて秋陰の気次第に増し暑気すでに処(ヤム)とすよって斯く云ふ(晴明神社本暦)
(申月消息卦) 三陰三陽
――――――――――――――――――――――――
【9月】 酉月 長月 仲秋
白露(はくろ) 旧8月節入 9月8日頃 太陽黄経165°~
- 陰気ようやく重なりて露こごりて白色となれば也(暦便覧)
- 秋の最中にして露おのづから白し故に白露と云ふ(晴明神社本暦)
秋分(しゅうぶん) 旧8月中気 9月23日頃 太陽黄経180°~
- 陰陽の中分となれば也(暦便覧)
- 秋分に合わせて二分という昼夜相当分する日なり(晴明神社本暦)
(酉月消息卦) 四陰二陽
――――――――――――――――――――――――
【10月】 戌月 神無月 季秋・晩秋
寒露(かんろ) 旧9月節入 10月8日頃 太陽黄経195°~
- 陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすれば也(暦便覧)
- 陰気日に増長し寒露降る(晴明神社本暦)
霜降(そうこう) 旧8月中気 10月23日頃 太陽黄経210°~
- つゆが陰気に結ばれて、霜となりて降るゆへ也(暦便覧)
- 旧九月の中気始めて霜降る(晴明神社本暦)
(戌月消息卦) 五陰一陽
秋の土用……次節、立冬に至るまでの約18日間。
――――――――――――――――――――――――
《冬・冬期》
【11月】 亥月 霜月 初冬・孟冬
立冬(とうじ) 旧10月節入 11月7日頃 太陽黄経225°~
- 冬の気立ち初めていよいよ冷ゆれば也(暦便覧)
- 冬の気立ち初むるなり(晴明神社本暦)
小雪(しょうせつ) 旧10月中気 11月22日頃 太陽黄経240°~
- 冷ゆるが故に雨も雪となりてくだるがゆへ也(暦便覧)
- 寒気頻りに結んで雪となる。依って名付く(晴明神社本暦)
※晴明神社本暦には「寒気瀬りに」と記載されているが、
「寒気頻(しき)りに」の誤表記と思われる。
(亥月消息卦) 全陰
――――――――――――――――――――――――
【12月】 子月 師走月 仲冬
大雪(たいせつ) 旧11月節入 12月7日頃 太陽黄経255°~
- 雪いよいよ降り重ねる折からなれば也(暦便覧)
- 寒気愈々募りて雪いよいよ降る(晴明神社本暦)
冬至(とうじ) 旧11月中気 12月22日頃 太陽黄経270°~
- 日南の限りを行て日の短きの至りなれば也(暦便覧)
- 昼間最も短き日にして暦元と云って造暦の根拠となす(晴明神社本暦)
※ 冬至で使われる「一陽来復(いちようらいふく)」は、
この易卦に由来している。
(子月消息卦)一陽五陰
――――――――――――――――――――――――
【1月】丑月 睦月 正月月 季冬・晩冬
小寒(しょうかん) 旧12月節入 1月5日頃 太陽黄経285°~
- 冬至より一陽起るが故に陰気に逆らう故益々冷る也(暦便覧)
- 地下の陽気地上の陰気追ふて昇る故老陰織って寒気激し(晴明神社本暦)
大寒(だいかん) 旧12月中気 1月20日頃 太陽黄経300°~
- 冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也(暦便覧)
- 地上の陰気地中の陽気に追われて寒気甚だし故大寒と云ふ(晴明神社本暦)
(丑月消息卦)二陽四陰
冬の土用……次節、立春に至るまでの約18日間。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
以上。
旧暦と新暦では、1カ月のズレがあり、四柱推命では立春が含まれる月を1年の始まりとしています。
お読みいただき、有難うございました。