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今年の暦(こよみ)には、6月21日から6月30日までの十日間が、
十方暮れ(じっぽうぐれ)と記されており、今日も十方暮れの真っ只中のあるのです。ですので、本日は、撰日(せんじつ)の一つとされる、十方暮れがテーマです。
さて、十方暮れから“途方に暮れる”って連想しませんか?
…… 別に途方に暮れるという意味はありません。というのも、十干と十二支との組み合わせ、「相性が悪い」とされているだけです。
十干は、
- 甲(きのえ)=陽の木性 ・乙(きのと)=陰の木性
- 丙(ひのえ)=陽の火性 ・丁(ひのと)=陰の火性
- 戊(つちのえ)=陽の土性 ・己(つちのと)=陰の土性
- 庚(かのえ)=陽の金性 ・辛(かのと)=陰の金性
- 壬(みずのえ)=陽の水性 ・癸(みずのと)=陰の水性
……から構成されます。
一方の十二支は、
- 子(ね)=陽の水性 ※陰陽道の一部流派では、陰の水性
- 丑(うし)=陰の土性
- 寅(とら)=陽の木性
- 卯(う)=陰の木性
- 辰(たつ)=陽の土性
- 巳(み)=陰の火性 ※陰陽道の一部流派では、陽の火性
- 午(うま)=陽の火性 ※陰陽道の一部流派では、陰の火性
- 未(ひつじ)=陰の土性
- 申(さる)=陽の金性
- 酉(とり)=陰の金性
- 戌(いぬ)=陽の土性
- 亥(い)=陰の水性 ※陰陽道の一部流派では、
……で構成されます。そして、十干と十二支との相性が悪いされている組み合わせが夏に巡って来る時期を十方暮れと呼びます。
十方暮れの間は、
十方の気がふさがり、万事に凶とされ、
この時期に相談事や交渉事をしても成就しない
とされます。
十方暮れの干支の組み合わせを、今年の暦(こよみ)で具体的に看ると、十方暮れ入りとされる、6月21日から順に、
1日目、甲(きのえ)・申(さる)、陽の木性VS陽の金性=金剋木
2日目、乙(きのと)・酉(とり)、陰の木性VS陰の金性=金剋木
3日目、丙(ひのえ)・戌(いぬ)、陽の火性VS陽の土性=相生
4日目、丁(ひのと)・亥(い)、陰の火性VS=陰の水性=水剋火
5日目、戊(つちのえ)・子(ね)、陽の土性VS陽の水性=土剋水
6日目、己(つちのと)・丑(うし)、陰の土性VS陰の土性=比和
7日目、庚(かのえ)・寅(とら)、陽の金性VS陽の木性=金剋木
8日目、辛(かのと)・卯(う)、陰の金性VS陰の木性=金剋木
9日目、壬(みずのえ)・辰(たつ)、陽の水性VS陽の土性=
土剋水
10日目、癸(みずのと)・巳(み)、陰の水性VS陰の火性=水剋火
十方暮れの十方とは、天地+八方位のことで、暮れは「闇」を意味しています。つまり、四方八方だけでなく、天と地を加えた十方位が閉ざされた状態を意味します。
また、「途方に暮れる」の語呂合わせという説もあり、その期間が十日間であることから「十」の字を充てたととの説もあります。
十干と十二支との組み合わせは、甲子(きのえ・ね)から癸亥(みずのと・い)に至る、合計60種類あり、60日で1巡します。約2カ月経つと、元の干支に戻るわけで、1年で6巡するわけです。
ということで、60日に10日、約2カ月おきに十方暮れが巡ってくることに。慌ただしいというか、面倒くさいというか、暦(こよみ)の吉凶は厄介なものですね。
たしかに、「相性が悪い」とされる干支の組み合わせを無視することはできませんが、月の干支との組み合わせや年の干支との組み合わせも含めて判断するほうが良いかと。
そもそも撰日(せんじつ)は、暦注の中で六曜・七曜・十二直などの中段にも、二十八宿・九星・暦注下段にも属さない雑注とも称されるものです。しかしながら、参考になることも少なからず有りますので、知っておいて損はないかと。
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