1994年の今日、12月7日に西武有楽町線の練馬~新桜台間が開通し、練馬~小竹向原間が全線開業。
1983年に小竹向原~新桜台間が開通しており、すでに当時の営団地下鉄(現在の東京メトロ)有楽町線からの片乗り入れは開始されていまして、この94年の当時は新桜台~練馬間は高架化工事の関係で単線で開業して、まだ西武池袋線本体との乗り入れを行わずに、練馬始発で営団地下鉄有楽町線へ直通運転をしていました。
98年には練馬駅付近の高架化が完成し、練馬~新桜台も複線化されて、本格的に西武池袋線と西武有楽町線を介しての営団有楽町線との相互乗り入れが開始されました。そして、2008年には東京メトロ副都心線開業で、こちらとも乗り入れを開始しました。(副都心線内はワンマン運転。)そして現在に至るわけです。
最近は東京メトロサイドでの輸送事故や工事関係での事故発生が相次ぎ、本日早朝には有楽町線豊洲駅付近での線路改良工事中に死亡者が発生する痛ましい事故も発生して、早朝のラッシュ輸送に輸送障害となりました。
まずはなくなられた作業員の方のご冥福をお祈りいたします。
西武池袋線は西武有楽町線を介して、シームレスに東京メトロ・有楽町線と副都心線に接続しており、池袋線側からは、小竹向原まで行くと東京メトロの小竹向原駅構内で折り返しをすることができます。(ただし、小竹向原駅の池袋駅方のダンパ線を使用)
一方、東京メトロ線内からは、練馬や新桜台には折り返しの設備がなく、現行は複々線化工事の敷地を使った引き上げ線のある練馬高野台まで行かないと折り返しができません。
かつては新桜台駅に上下線の亘り線があったのですが、撤去されています。また、練馬駅では両外側にホームのない池袋線の急行線、その内側に地下鉄直通の線路、一番内側に池袋線の緩行線(練馬駅停車用の線路)と上下それぞれに配置されていて、地下鉄内発着の列車は上下共に折り返しすることができず、緩行線には池袋方にのみ折り返し運転用の引き上げ線がありますが、豊島線の4両運転にのみ対応する形になっているのみで、池袋線の10両編成の列車は折り返しできません。
●練馬駅構内(高架線)配線概念図
-------------池袋線 急行線(上り)---------------
-------------地下鉄直通線(上り)------------)
所沢方 (上りホーム) 池袋方
-------------池袋線 緩行線(上り)--------------
-------------池袋線 緩行線(下り)--------------
(下りホーム)
-------------地下鉄直通線(下り)------------)
-------------池袋線 急行線(下り)--------------
上下の緩行線の間の所沢方に、地上に降りる豊島線への分岐があります。
通常は運転系統の分かれる駅で、折り返しができるように線路を配置するのですが、豊島園駅へ向かう豊島線が池袋線から分岐する駅も兼ねている為に、緩行線を豊島線との分岐のために一番内側に持ってこなくてはならず、しかも折り返し用の引き上げ線をその部分に作れないために、練馬で地下鉄線系統と池袋線系統の分離運転はできません。小竹向原での折り返しも専用の引き上げ線がない為に高頻度で運転されている時間帯では折り返しができません。
そうするといったんどちらかで運転障害(人身事故・信号や車両トラブルなど)がおきると、他の地下鉄線の様に、運転系統を分離してそれぞれの混乱を最小限に抑えるという処置ができず、お互いに混乱が増大するという状態が続きます。
小竹向原を介しての乗り入れは、東京メトロの2線、西武池袋線、東武東上線の4線にまたがり、そのどこかで障害か起きれば、3社全部の線に影響が起きます。
特に西武線の場合は乗り入れを中止すると、地下鉄に入るはずだった列車を全部いったん池袋へ持っていって、折り返しで車両基地のある小手指などへ収容させる方法をとるしかなく、特急ホームを含めて4線の池袋駅での列車の収容力が限界に達すると、混乱に輪をかけてしまうことになります。
東京メトロ側では副都心線でワンマン運転を行っていて、その対応でホームドアを使用しており、それは有楽町線側にも設置が拡大されていまして、輸送安全上では非常に好ましいことですが、将来的にはこちらもワンマン化するのでしょうか。
いったん完成してしまっている線路の配置を根本的に変更することはできませんし、これからの練馬高野台~石神井公園間の複々線化工事の完成で同時に使用ができる石神井公園駅の2本の引き上げ線で、ある程度の混乱が防げるようになるとは思いますが、来年度には副都心線を介して、東急東横線(~みなとみらい線)との乗り入れ運転も始まる予定でもあり、各社の対応策の充実もさらに求められていくと思います。
西武池袋線~有楽町線の直通運転の一利用者としては、混乱時対応をも含めたスムーズな運転体制が、充実していくことを願ってやみません。