食事は愛の塊
麺類で1番好きなもの論争に参加したなら、私は迷わず答える。目玉焼きを乗せたソース焼きそばと。いや、この際目玉焼きは譲ってもよい。ソース焼きそばが大好物のひとつである。ルーツは幼い頃母親に拵えてもらったマルちゃんソース焼きそばに違いない。ただ、これに拍車をかけたのが、夏の思い出、●●浜カントリークラブの焼きそばなのである。その頃はまだ景気の良かった父は、いくつものゴルフクラブの会員であった。海の近くのそのゴルフ場は、毎年夏に家族で行った海辺のヴィラから徒歩圏内にあり、、、いや、今となっては、ヴィラから通ったのかは定かではないけれどとにかくそのゴルフ場のレストランで出てきた焼きそばは、熱々の鉄板の上で、焼き付けらる音と一緒に目の前に運ばれてくる。半熟の目玉焼きを崩しながら、ソースの絡んだ麺に惑わせて口に運ぶ。味なんて覚えちゃないけどねっとりとした食感がたまらない逸品なのだった。ち、違う。うちで食べるのと違う!幼い私の食のカルチャーショックの一つとして深く記憶に刻み込まれることになった。この後からか、わたしは父の影響で外食を好むようになった。小学生の頃の作文で、好きな食べ物を土瓶蒸しと書いたとき、みんなにキョトンとされたことは忘れない。なんでみんなは土瓶から薫る松茸の香りと、お出汁のきいた清汁を好きじゃないのかと疑問に思ったものだが、今になってわかる。40年ほど前の日本の田舎で、小学生を漆をひいたカウンター寿司屋に連れて行き、大人と同じものを食べさせる親は普通じゃないのだ。当時は回るお寿司がファミリーの定番。貧乏から這い上がり、僅かながらのお金を掴んだ父は、私たち姉妹にいろんな贅沢を体験させてやろうといろんなお店に連れて行ってくれた。ステーキハウス、カウンターのお寿司、町で1番有名なレストラン喫茶店ゴルフ場のレストランゴルフ練習場のカフェあ、おいしいミックスジュースもここで知ったのだったわ。京都の料亭などにも行ったっけ。そこで舞妓にならないかと言われたのを本気にしたのを覚えてる。あー、懐かしいわー。美味しかったわー。グランメゾン東京で感動するほど美味しいものに、もう出会えないかもしれない、のが怖いんだろみたいなことをキムタクが言ってたけど、そう。初めての美味しさに私は感動するタイプ。食事なんてなんでもいいと言う人もいるけど、いやー、それはないわ。初めてのドリア、初めてのねっとりと焼きそば、初めてのスパイスステーキ、初めてのトラフグ、初めての土瓶蒸し、初めての椎茸ピザ、初めてのヴォルヴィック、初めてのフレンチトースト、初めてのきゅうりスープ、、、、美味しい体験が私の人生を彩る、と言っても過言ではなかろう。誰と食べるか、も大事だけど、何を食べるか、はもっと大事 for me.丁寧に拵えた食事は本当に美味しい。食事は愛の塊だなー。