バース大学MBA留学記

バース大学MBA留学記

2016年8月からイギリスバース大学のMBAに留学したときの記録

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海外MBAで勉強することの意義の1つは、日本でただ仕事をしていたら得られなかったであろう重要な気づきをたくさん得られたことです。

 

MBAにチャレンジする前は、1年間キャリアを中断してまで海外に行って勉強する意味はあるのか?国内MBA、自分でビジネス書を買って読むという選択肢ではだめなのか?と悩んでいた時期もありました。

 

でも、今声を大にして言いたいのは、海外MBAでの経験が財産になるということです。

 

正直、講義で習った理論などは、テキストを日本で買って読んでも一緒だったと思います。英語も、日本で勉強してもできるようになったかもしれない。

 

でも、世界中から来たクラスメートとのディスカッションやグループワーク、様々な企業で働く実務家たちの講演、現地の企業に対するコンサルティングワークなどは、海外MBAでしか経験できません。

 

これらの経験から、より多くの「知識」を得たことはもちろんですが、私の中では人としてレベルアップできたような感じがしています。

 

どんな風にレベルアップしたか、簡単にまとめてみました。

 

1.何度も挫折を経験して自信がついた

MBAが始まって以降、「もうだめだわ・・・」みたいな、自信を完全喪失するような状況が何度もありました。汗 英語のディスカッションに全くついていけない、予習が多すぎて復習が多すぎて終わらない、試験で赤点、どんだけ頑張っても授業の内容が分からない、など。つい人と比べたりして、なんて自分はダメなんだ…と落ち込んだり、悔しくて泣いたりしたこともあります。でも、振り返ってみれば全部無事クリアしてこられたんです。人に頼ることができるようになったり、極端な完璧主義で自分を追い詰めることが少なくなったとも思います。総じて、MBA経験前と比べて、自分を信頼できるようになりました。

 

2.全く価値観の違う人と関わって視野が広がった

これまで完全にドメスティックな企業で働いていた私にとって、様々なバックグラウンドを持った多国籍メンバーとのグループワークは、完全にカルチャーショックでした。何か話し合うにしても、私のこれまでの「ふつう」が何も通じない。いちいち発想が違いすぎて、何の話をしているのか理解するのに苦労する。とにかく思ったことは言う。意見の衝突なんて毎度のことです。でもさらに驚きだったのは、みんながそれを当たり前のこととして受け止めているということ。日本だと(少なくとも私の働いていた企業だと)、出る杭は打たれる文化で、人に意見を合わせたり、極端な意見を言う人に耳を貸さない人が多かったと思います。むしろ、輪を乱さないために必要な配慮が求められるというか。私はそんな中で、出ている杭の方だったので笑、上司を結構困らせていたと思いますが。。

 

でも、1年経って、むしろみんなの意見が同じなんてそんな不自然なことあるかい!みたいな気持ちになってきました。今後日本の企業で働いていく上で、どんな突飛なアイディアや意見を言われても、驚かない自信があります。笑 そういった意味で、固定観念にとらわれることなく、広い視野で仕事ができるのではないかと思っています。

 

3.自分のことをより知ることができた

これまでの人生で、なんとなく自分の長所・短所、好き嫌いなどは分かっていたつもりだったのですが、この1年間でより自分を知ることができました。日本で仕事をしていたときは、時間的にも気持ち的にも余裕がなくて、自分とは一体どんな人間なのか、よく分かっていなかったんです(「座右の銘は?」とか聞かれると心底困るタイプでした。)。

 

MBAに来て、様々な困難や新しい場面に遭遇する中で、自分の嫌な面を目の当たりにすることもありましたが、客観的に自分の行動、感情の変化、人との付き合い方などについて観察することができました。いまだに自分が何者なのかは良く分かりませんが、大切にしている価値観、状況別の行動・思考パターン、本当に好きなこと・本当に嫌いなこと・どうでもいいこと、人からの一般的な評価(どんな人間だと思われやすいのか)、人生で譲れないこと等々、少しずつ見えてきました。

 

優れたリーダーは、セルフアウェアネス(自己認識)やEQ(エモーショナルインテリジェンス)が高いそうですが、私はやっとそのスタートラインに立てたような感じです。なりたい自分とはまだまだギャップが大きいですが、基本的にはセルフアクセプタンス(自己受容)しつつ、少しずつ改善できるところはして、(優れたリーダーかどうかはさておき、)「自分」という人間を確立していきたいと思います。((そしたらきっと、人生がもっと楽しくなるはずです!)

 

 

こうやって振り返ってみると、私はずっと大学生の時に留学できなかったことを後悔していたのですが、社会人を経験してちょっと大人になった今留学できてよかったな、と思います。大学生の時だったら、得られなかった気づきがたくさんある気がする。どんなことにも遅いなんてことはなくて、チャレンジすればその分学ぶことはたくさんあるんですね。

 

なんだかもうやり切ったみたいな文章になってしまいましたが、まだ卒業プロジェクトという大仕事が残っているので汗、最後まで頑張りたいと思います。