[感想][中山星香] 妖精国の騎士 03巻 | つれづれマカロン

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Turip 02巻の感想で、「まだ電子書籍では4冊しか刊行されていない。でも、そのうちたくさん出版されて、読むのが追いつけなくなるのが不安」と書きましたが、案の定、12月12日現在で14巻まで刊行されました。もちろん、読むの追いつけません。大変だけど、ホッとしました。志村貴子さんの「青い花」は、電子書籍で01巻が出た後、02巻以降が出るまで、すごーく待たされてしまいましたから、そういうパターンになったら嫌だなあと怖れていたのです。


Turip 03巻の感想です。ヒロインのローゼリィは、妖精国で唯一の人間…「養われっ子」として数年を過ごします。魔法や剣術を身につけて、見た目も美しく凛々しく成長します。そんなローゼリィが「妖精国を出ていく力」を身につけ、人間界に戻るところで、お話は一段落します。


Turip 妖精国の緑の木や小鳥たちから「緑の姫君」と言われるようになったローゼリィ。彼女の吹く笛は、妖精国の自然に愛されています。…小さい頃のローゼリィが、おてんばで男まさりとはいえ「可愛い系」の顔立ちだったので、きっと大きくなったら美少女に…と期待していたのですが…いえ、別に期待を裏切られた訳ではないけれど…ハンサムな女の子に成長しました。きりっとして、長い金髪を後ろで一つにくくって、お姫さまというより王子さまな感じです。


Turip 彼女の剣と魔法の師匠である「暁の星のエアリアン」という男性エルフですが、同じ名前の人物がタイトルに含まれている作品があるので、スピンアウト…というかスター・システム的な登場の仕方なのかな、と思いました。それが気になるならコミックス「エイリエルとエアリアンの詩」を買って読めばいいんですけど…「妖精国の騎士」本編を買うだけで、お金が追いつかないです。


Turip エアリアンとローゼリィの関係は、ちょっとどきどきしました。恋愛なんかではないんですけど、お互いに「若僧」 「ひよっこ以前の卵の姫君」と呼び合って、仲良しツンデレな感じがいいなあ…と。剣の指導も、女の子だからといって手加減なしで、ローゼリィもそれにめげずに成長していく。甘やかだけど甘えのない、新鮮な関係性はとてもいいものです。


Turip 前巻のラストに登場した美人・きつめ・気位高い、少女漫画的ライバルと思われたアンフィリアン王女は、ローゼリィが火竜を呼び出して「火の加護」を受けたことで、火の一族としてローゼリィを仲間と認めてくれました。理不尽ないじめっ子じゃなくて良かった。いい人だー。それだけに、ローゼリィが妖精国を出ていくときに、厳しい表情で「幸せに生きなければ許さない。ルシアンの殿(緑の妖精王)を悲しませたら許さない」ときっぱりと告げるシーンが印象的でした。うんうん、本当にルシアンが好きなんだなー。


Turip ローゼリィは妖精国から人間界に帰り、新たな展開が始まります。ローゼリィが幼い頃、故郷のアルトディアスから落ちのびる時に偶然助けてくれた、黒髪の美少年アーサーは、隣国ロリマーの王子でした。さらに、ローゼリィは彼の手のひらに、運命の三つの剣の一つ・太陽剣ソレルの持ち主である印のあざを見つけます。…初登場時から、「すごく美形だし、今後、重要人物となるかも…」と思っていたけれど、「三人の主人公の一人」(あとがきより)とまで言われる存在だとは思いませんでした。


Turip ローゼリィが人間界に戻って、正体を隠してロリマーに潜入する時の変装が良かったなー。金髪を茶色に染め、そばかすをつけて、木こりの男の子に扮する。そういう「ヒロインの男装」って大好きなんです。


Turip 最後に…不幸を呼ぶ剣「ルシリス」の乙女であるローゼリィですが、「私はルシリスをいだき、凶運を幸運に変える初めての者になろう!」と決心するシーンではじーんとしてしまいました。エルフたちに「あの姫はルシリスの乙女だから不吉」と散々言われて、ひねくれて育ってもおかしくないのに、なんて真っ直ぐで雄々しい決意だろう、と…。

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