最近、新聞の紙面を見ていて、やや違和感を感じることがあった。

 

一つは静岡四区補選の結果で、かなり大差で自民新人候補が当選したという記事。見出しが、「コロナ対策に評価」とある。しかしよく見ると上に 与 という字がある。おそらく一般の国民には新聞社のメッセージとして、単純に受け取るのではないか。

 

もう一つは、5月3日の第1面に、「憲法に緊急事態 賛成45%」という見出しがある。

しかしよく見ると、安倍総理の在任中の改正には反対が46%とある。おそらく一般国民は単純に45%賛成という情報を受け取るだろう。

 

民意を高め、政治家のレベルを上げていくためには、選挙権を持つ市民のレベルを上げることは不可欠であるが、そのためにはマスメディアの役割が極めて大きいと思う。

おなじ日の第3面には、緊急事態でも現行法でも対応可能という記事欄もある。

 

新型インフルエンザ等対策特別措置法にこの度の新型コロナウィルスを含める法改正は2020年3月に公布、施行されている。

 

中国はこの時期に南シナ海での活動を強め、この海域を管理する新たな行政区として西沙区、南沙区を設置したり、挑発的な行為を繰り返しているということである。

 

日本の場合もこの危機を、憲法改正、年金開始75歳法案、検察庁法改正案、種苗法改正案などを進めようとしたり、自分の保身に利用しようとしている。とくに憲法に緊急事態条項を盛り込むことについては、充分注意が必要である。

次は、政治をよりよいものにするために、大手マスコミの果たすべき役割は非常に大きなものがあるが、報道の自由に関連した記事である。

 

米政府が Voice of America (VOA)を中国寄りとして批判したことや、中国の様々な報道規制、逆に米政府による一部中国メディアに対する規制などが報道されているが、国境なき記者団(RSF)は、この他のロシア、インドネシア、ブラジル、イラクにも問題があるとしている。

 

しかし、日本でも大手マスコミへの直接間接の圧力があるようであり、国会中継の在り方、総理や官房長官の記者会見の在り方にも、ネットの世界では厳しい批判がある。

 

RSFの報道自由度ランキングで、韓国は42位、台湾は43位、アメリカは45位、日本は66位のG7で最下位の結果になっている。ちなみに、インドネシア120位、中国は177位、北朝鮮は最下位の180位である。

昨日の朝刊の社説で、今回のコロナ禍が経済にどのような影響を与えていくかについて、論じている。保護主義が台頭して、グローバル化が後退し経済の効率が悪化するのではないかという懸念が示されているが、この点については、食料自給率の向上などの点から、すべてを受け入れることができない。

もう一つの、貧富の格差拡大に関連して、大企業等の有利なように政治が動く可能性があることを含めて、社会が不安定にならないよう、公正な富の再配分など様々な対策を考える必要があると思う。

 

為政者の目的がコロナの鎮静化より、別のところにあるとすれば、収束がうまくいかなければ、国民の自粛が足りなかったことを理由にして、憲法に緊急事態条項を加えたりすることになってしまうのも心配だし、大混乱をそのままにして責任を後の人に押し付けてしまうことになるのも心配である。

 

この未曽有の試練を、若い人々にも目覚めてもらい、ぜひ明るい未来のために良い方向への転換点にできるよう、切に祈りたいと思うこの頃である。