バスに入るなり奥を見つめ、空いてる席があることを確認し慌てて腰を下ろす。ガラスに反射する自分の顔が天気と同じように曇ってる。
あの頃の僕はいつも怯えていた。
誰かに怯えているわけでもなく、仕事に対して怯えているわけでもなく将来の自分に怯えていた。
先のみえないこの人生で一体何に価値を見出し、何に生きがいを感じ、歩んでいけばいいのか。
さっとバッグを持ち上げバスを後にした。
変わらないこの席からの風景。キーボードを叩く音や打ち合わせの声が聞こえてくる。これが僕の日常。
言わば26歳のごく普通のサラリーマンである。
そんな僕の生活があることをきっかけに一変する。