こんにちは。インテリアコーディネーターの祐紀子です。
日々、さまざまなお客様の空間づくりをお手伝いしていますが、先日、新築戸建ての内装・インテリア打ち合わせのサポートをご依頼いただきました。
住まいづくりの中でも、内装の打ち合わせは「夢がふくらむ瞬間」。
そして同時に、ご夫婦それぞれの価値観や美意識が交差する、
まさに、ご夫婦の“らしさ”が滲み出る場面であり、
“夫婦の縮図”とも言える場面です。
自然に生まれる役割分担—「理想」と「現実」のバランス
今回のお客様ご夫妻
奥様は、空間全体の「雰囲気」や「デザイン」を主導。
色や素材感、空間のイメージにこだわり、理想の住まいを丁寧に描いていらっしゃいました。
ご主人様は、奥様のビジョンを優しく見守りながら、「機能性」や「コスト面」を冷静にチェック。
設備や性能、予算シミュレーションなど、現実的な視点で家計を守る役割です。
奥様が「こんなテイストにしたい」と語り、ご主人が静かに頷きながら「これなら大丈夫かな」と確認する。
そのやり取りは、絶妙なバランス。
険しい表情になるご夫婦もいる中、お二人は常に笑顔で、和やかな雰囲気に包まれた打ち合わせとなりました。
実はこのような“自然な役割分担”は、
数多くの打ち合わせに同席してきた中で、何度も目にしてきた光景です。
ご夫婦それぞれが無理なく自分の視点を持ち寄り、互いを補い合うように住まいづくりを進めていく——
それはとても健やかで、理想的なプロセスだと感じます。
ピンクの壁紙に漂う“察してほしい”空気感
そんな順調な打ち合わせの中で、ひとつだけ、静かな“攻防”がありました。
それは、奥様が選ばれたアクセントクロスのカラー。
「スモーキーピンクの壁紙」について。
予定はトイレ。限られた空間だからこそ、遊び心のある色で印象的に仕上げたいという、奥様の強い希望。
色見本を手にした瞬間、奥様の表情がぱっと華やぎました。
一方、ご主人はその色を見て、ふと沈黙。
はっきりと「反対」とは言わないものの、どこかに「その色だけは避けたい…」という静かな違和感が漂っていました。
言葉ではなく、表情や間で伝えるさりげない意思表示。
奥様もその空気を敏感に察し、「どうかな?」と問いかける。
色の好みは、理屈ではなく感覚に近いもの。だからこそ、こうしたやり取りには、互いの価値観を尊重し合う姿勢がにじみ出ます。
このような“微妙な空気の読み合い”もまた、打ち合わせの現場ではよくあること。
それぞれの「好き」と「ちょっと苦手」が交差する瞬間にこそ、ふたりらしさが滲み出るのです。
この場面で私が感じたのは——
「正解を探す」のではなく、「ふたりにとって心地よい選択肢を見つける」ことの大切さ。
インテリアは、暮らしの器であると同時に、関係性を映す鏡でもある。
そんなことを、改めて思わせてくれる打ち合わせでした。
住まいづくりは、ふたりの“これから”を形にする
ご夫婦のやり取りには、言葉にしなくても伝わる想いがあり、
その空気感こそが、住まいに“らしさ”を宿すのだと感じます。
インテリアの仕事は、暮らす人のこれからを形にすること。
打ち合わせの中には、言葉にしなくても伝わる思いや空気があります。
そうした一瞬一瞬に寄り添いながら、
その人らしい心地よさを丁寧に形にしていけたらと思います。
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